教育改革「英語編」~子供たちにも、先生にも必要なのは、『インプット』よりも『アウトプット』!これでアクティブラーニングにも対応できる?!~

教育改革「英語編」~子供たちにも、先生にも必要なのは、『インプット』よりも『アウトプット』!これでアクティブラーニングにも対応できる?!~
2020年まであと2年…
もちろん、目の前の子供たちのことを考えるだけでも精一杯だけど、これからやってくる教育改革に対応できるか心配。

しかも英語改革…。
私、英語話せないしなぁ。
しかもアクティブラーニングって言われても、どんな指導をすればいいのかわからないよ。

 

そうなんですよね。
学校現場から聞こえるこんな声。
実際に、私が開口一番に教員の友人から言われる言葉が

「英語ってどうしたら話せるようになるの?!」
ということでした。

 

これ、
思っているより簡単なんです。。。

 

前回は「メンタルブロック」のこと、
まずは「挨拶」ができることが英語を話す一歩だとお話しました。

今日は、その次のステップ、
『インプットよりもアウトプット』を駆使して、さらに出来る自分になる方法をお伝えします。

目次


1.自腹でセミナーへ通う人が増えている?!


2.アウトプットって?


3.じゃあどうすればいいの?


4.今、だから出来ること


5.小さなステップの繰り返しで身についていく


 

1.自腹でセミナーへ通う人が増えている?!




先生方の多くは「どうにかしたい!」とやる気に満ちあふれています。

それは、例えば
・英会話教室へ通っている。または通おうと考えている。
・教育技術を高めるためのセミナーなどに通っている。しかも公費ではなく、自腹。
・今から、2年後の教育改革のために本を購入した。
・積極的に講習会等に参加している。

など、自分の教育技術の向上のために、または英語力を上げるために身銭を切って身につけようとすることはとても素晴らしいことだと思います。

でもその中で、ひとつ引っかかったことがありました。
『インプット』することに、たくさんのお金と時間をを費やし、
身についたつもりになって、そこで終わっている人が多くいる、ということです。

以前の私もまさにそうでした。
出来たつもりになってしまうんですよね。

英会話教室に通って、満足。
セミナーで有名な先生の話を聞いて、ワクワク。
本を買って少しだけ読み進めて、安心。

とりあえず情報や知識を頭に入れる。それはもちろん大事なことです。

でも私を含め、皆さんなぜか『アウトプット』することには、抵抗がある。

というか、重い腰がなかなかあがらない。

『アウトプット』に『インプット』すること以上の時間や労力をかけることが億劫になったり、
『インプット』だけして満足してしまう。

仕事においてだけではなく、
私生活の中でも多くの人が陥りがちなことだと思います。

でも、これではお金と時間を有効に活用できているかというと…

知識を蓄える、という意味では充分ですがもったいないし、有効利用はできていないのではないでしょうか。

せっかく時間を割いて学ぼうとしたのなら、
そこからとことん吸収していきましょう!

そして、「インプットよりもアウトプット」をより多くする習慣を自分に身につけていきいましょう。
自分たちが出来ることは伝えることができます。子ども達にも実践させていきましょう。

 

2.『アウトプット』って?




さて、『アウトプット』って何?
なんて人もいるのかもしれません。

『アウトプット』は自分で吸収したものを外に出すという行為です。

 

例えば

(学んだことを)
・口に出す。
・書き出す。
・行動に移す。

(さらに)
・自分の言葉で表現する。
・学んだことを生かして、まずは少しずつ形を変えて、慣れたら自分なりの方法で表現する。

ということです。

 

口に出す、書き出すはほとんどの人がやっていることだと思います。
話を聞いたら、メモを取る。
それを伝達する。

これも大事な『アウトプット』です。

自分で見聞きしたことを一度整理して、頭の中から外に出すだけでも、考えがまとまったり、思考がクリアになったりしますよね。

 

でも必要なのが、そのもう一歩先。
それを生かして、活用する。ということです。

そう、まさにアクティブラーニングです。

教える側である先生たちが、日常的に受動的な行動しかとっていないのです。
それでは、子ども達に対しても同じように受け身の授業しか展開出来ないのは無理もありません。

じゃあ、どうすればいいの?それは次項でお伝えします。

 

3.どうすればいいの?




 

どうしても、自ら動くということは、
受け身よりもエネルギーを使うし、
面倒くさいと思い、ブレーキがかかり、腰が重くなりがちです。

でもそのブレーキをはずし、重い腰をあげれば、その先に待っているのは
新たな自分、不安の消えた自分がいます。

では具体的に何をすればよいのでしょうか。

 

英語の例です。

①まずは挨拶。(これもアウトプットの第一歩です。)
②教科書の文例で構わないので(特にその週に指導する予定の文例だと、子ども達に教える時に生かせると思います。)、まずは何度もリピートする。
呪文のように口に出す。
③その文例を自分なりに変えて、自分の言葉で表現する。

「え?!それだけ?っていうか、そんなこといつも子どもにやらせてるよ!」

「どんな英語学習のところでも同じことを教えているよ。当たり前のことじゃない?」

 

まさに、そうなんです。
当たり前に子どもに教えていることを、
まずは自分がやればいいです。

これをやればできるということを、
まずは続けてやってみればいいんです。

海外で使う英語は、中学卒業レベルで充分に会話が出来ると言われています。

特に学校の先生は、そのレベルなら越えてきているはず。

 

つまり知識は充分に持っているんです。
でもそれを使っていない、『インプット』ばかりだから使いこなせていないだけなのです。

 

これを機に、英語が話せる自分になりませんか?
子どもとともに。
共に学べるなんて、学校の先生の特権です。

やりたくなくても英語を使わなければならないのなら、自分も英語を話せるチャンスだと思えばいいんです。

 

「英語を話せない」という人の多くは
出来ているのに、知っているのに、
「口に出すことが抵抗があるから」
「ペラペラ話せないから」
という理由をつけて、それ以上前に進めずにいる状態の人だと思います。

 

子ども達と共に、
少しずつでもいいから、『アウトプット』していくことに慣れてきませんか?

それが出来るようになってきたら、また視界が開けて新たな自分が見えてきてワクワクしますよ。

 

4.今、だから出来ること


 

おそらく、今、やろうと決めたときは動き出すチャンスです。

なぜなら、今、読んでくれているということは、あなたの中で準備が出来始めているということです。

 

仮に、英語指導をまだやったことがなくて、英語と聞くだけで気が重くなる先生もいると思います。
でも英語はこれから必要なのは目に見えている。

一年生の担任だから関係ないかなと思っていても、いずれ必要な学年を任される時は確実にやってくる。
今手元に教科書がなくても、誰かからちょっと拝借して、コピーして、一週間に一度、例文を決めてALTに話しかける。
はじめは独り言のように、練習する。

そんなところからのスタートでもいいと思います。

 

5.小さなステップの繰り返しで身についていく


 

小さな小さな一歩を踏み出し
小さな小さなステップで進んでいくことで、確実に自分が変わっていきます。

英語が嫌いだった自分。

どうしていいのか、不安で仕方なかった自分。

こんなことをして、意味があるのかと常に自問自答し続けている自分。

そんな自分が楽しく英語を話し、子ども達にもその楽しさを伝えていけるまでに変化するのはそう難しいことではないのです。

 

まずは
「こんなことでいいのかな。」と思えることをただひたすら続けていく。

でもインプットより、アウトプットの方が格段に身につくスピードが速いので、
受け身にばがりなっていないで、どんどん自分から挨拶したり、動いてみたりしてくださいね!

 

日本中の先生が、
英語に抵抗をなくし、その先生から学ぶ子ども達もまた英語を抵抗なく使うようになる。

そんな先生の姿を子ども達は常にみています。
先生は子ども達にとっての「生きる手本」なのです。

 

どんどん『アウトプット』して、
子ども達に間違う姿をみせ、またそこから学ぶ姿をみせること。

それも一人の大人として、子ども達に伝えていける大切なことだと思います。

 

2020年まであと2年あります。
それまでに、まずは先生自身が『アウトプット』することに慣れ
受け身ではなく、主体的に行動できる見本として生きていく。

 

アクティブラーニングの教え方の知識を得ることと平行して、自分として生きていく。

それが出来たら、教育改革なんて怖くないですね。

今までの培ってきたものと、
『アウトプット』を意識的に増やしていけばいいのですから。

 

 

※アクティブラーニングとは
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取りいれた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。
発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。


■ 執筆者情報


meg【教師】
小学校教員の経験
をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。