データよりも直感を信じよう!

相手に話を聞いてもらいたいときでも、直感は必須

1.手順の説明

以下において、「見方を増やす「口説き」の技術~相手を説得する戦略的プロセス」の「売り込みの基本」の要約を行い、それについて批評します。

まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。

主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本章のまとめ

・アイデアの売り込みはあなたの視点から物事を見てもらい、相手の関心とイマジネーションをひきつけ、あなたのアイデアにのっとった行動に踏み切らせること。

<「口説き」のプロセス>
➀状況を把握する(自分自身、自分のアイデアや目標や課題のみ定め)
・アイデアを形にし、練り上げる
・組織内の人脈図の把握、自分が相手にする意思決定のプロセスを明らかにする
・説得スタイルを自己診断
・アイデアへの情熱を自覚
②5つの壁※と向き合う(向き合う過程でこれらの壁を武器に転化)
・人間関係の壁
・信用の壁
・コミュニケーションの壁
・信念の壁
・利益の壁
③プレゼン(最も効果的な形でフレーミングする)
・証拠、根拠の提示
・各種のツールの利用。
・アイデアに自分らしさを持たせる。
④コミットメントをとりつける(次の両面で政治的対応が必要)
・対個人レベル
・対組織レベル

・独創的な新しいアイデアの発生源は「無意識」。また大量のデータをパターン化し、自分の基本的嗜好や経験に取り入れ、賢明な判断に至る作業も「無意識(直感)」が、「意識」よりも有能。

・聞き手の「無意識」(アイデアについて最終決定を下す部分)は明確で記憶しやすく、その人らしさのあるプレゼンを好む。

※「人間関係の壁」…相手はあなたとの人間関係をどう評価しているか。あなたを信頼しているか。
「信用の壁」…相手の目から見て、アイデア提唱者であるあなたに信用があるかどうか。自分なりのエートス(人間性)を育て、人間性をひとつの価値として打ち出すこと。
「コミュニケーションの壁」…相手はどういうコミュニケーションのスタイル、モードを好むか。
「信念の壁」…自分のアイデアを相手の重要な信念や価値観に合致したものとして位置付ける。
「利益の壁」…相手の利益や関心事にターゲットを絞る。

3.疑問に思ったこと

「可能な限り多くのデータや考慮を積み上げ、その上で全部脇に置き直感に任せて決断した方がより良い決定にたどり着く。」
この文を重要ポイントとし、ピックアップします。

これをふまえ、下記に疑問を示します。
「データや考慮の積み上げをし、それを全部いったん脇に置いて直感に任せて判断するというのはどういうことか。」

4.学びをどう生かすか

人は恐らく、つい集めたデータ、そして知識等を活用したくなるものです。
せっかく必死で集めたものならば、それをすぐにでも活用したいと思うのは当然です。
しかし、それを活用するには直感が必要だと著者は主張しています。

これはどういうことなのでしょうか。

「良きデータサイエンス(パターンを見出し、どう影響し合うかを予測することであり、人は絶えずこれをやっている)とは驚くほど直感的なものだ。」
「あなただってデータサイエンティストだ。子どもの頃、泣けばお母さんがかまってくれると思っていたはずだ。」

(東洋経済オンライン「人間の直感は得てしてみんな裏切り者だ」より)

上記のように無意識に自分の中にデータを集め、「データサイエンティスト」になっている可能性がある、ということです。
人はそのデータを無意識に判断し、行動にうつします。

そして、それを活用するのかどうかを決めるのは私たち自身です。
データを基に、無意識(直感)に任せて判断するとはごくごく当たり前なことと言えます。
しかし、普段の些細なことは直感で判断するのにも関わらず、人は多くの、せっかく集めたデータを前にすると「直感」ではなく、その「データ」を基に判断しがちだと言います。
「もったいない」と思って、直感の小さな声がかき消され、結果的に判断ミスをするということになりがちです。

私自身も経験があります。
「せっかくここまで集めたんだから、これを活用しないなんて考えられない。」「直感なんて当てにならない。なぜなら、ここにちゃんとしたデータがあるんだから。」
と。
しかしそのほとんどの場合、結果が伴うことはありませんでした。

(グーグルのAIが勝った)アルファ碁は「機械学習」と呼ばれる学習処理による”経験”の蓄積。入力に対して、素早く、安定した出力(反応)が得られるように、いろいろな入力パターンを「学習」して、その結果を使うのだ。(・・・)学習には時間が掛かるが、学習後は短時間で反応を示す。ちょうど経験を積んだ人間の「直感」に似ている。
(日経トレンディより)

上記からすると、そもそも直感が多くのデータの寄せ集めだと言うこともできます。
しかし、上記に示したのはAIの情報量です。AIが記憶し、学習したデータです。人間の情報量とはケタが違います。
近い将来、さらにAIが発達することによって、データ=直感となる日が来る可能性は否定できません。
しかし、今現在は、データを元に直感を利用して判断することが望ましいと結論できます。

ではどのようにすればよいのでしょうか。
そのやり方を見ていきます。
まずはそのデータをより多く集めます。

「データというものは過去のものだけど、徹底した事実の集積なわけ。だから、データが大きければ大きいほど、事実を忠実にスキャンしているはず。」
「!をつかまえる有効な手段がビックデータ」

(日経ビジネスより)

上記からもデータを集めることは必須だと言えます。

そしてそのデータはより確実で実証があり、自信を持って提案できるものが良いのは言うまでもありません。その上で、直感を利用していきます。

「人は倫理より感覚が先行して動く動物だから」
(日経ビジネスオンラインより)

という言葉からも、相手の感覚に訴えるにはこちらもデータではなく、最終的には直感という感覚を使う必要があります。
つまり重要なのが、「直感を磨いておく」ということになります。

つまり、いくら沢山の有効な情報やデータがあったとしても、自分の直感が鈍っていては、最適な判断をすることはできません。
むしろ、そのデータが無駄になってしまいます。

「直観力(羽生善治著)」の中でも、棋士が対極に挑む際、「直感」「読み」「大局観」の三つを念頭に置くと言います。
その中でも直感は、最善手を導き出すために必要な力であると書かれています。

決定権は自分。つまり最終判断は直感。
ならばデータ収集も大事ですが、「自分の直感を常日頃から磨いておく」という意識を持っておくことは必要なことなのです。

5.まとめ

データと直感をうまく使うことは、交渉に限らず、人がより良く生活していくために必要なことです。
そしてまた、日々データの質が上がってきています。

そしてこれから先、さらにAIのより高度な発達により、そのデータはかなりの質になってくるはずです。
しかし今のところ、AIにはデータの寄せ集めによる学習にとどまり、それは直感とはいいがたいのです。つまりまだ直感は人間特有のものです。
直感を磨き、それを生かしていくことが、人間として生きていくのにより必須になってくるのです。
特に教師であれば、相手は子どもという一人ひとりの人間です。
ある程度の全体的な傾向がつかめても、個人個人への対応は、直感と経験を使って対応していくことが迫られるのは言うまでもありません。

■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。