「なぜ?」と踏み込むと、相手のことがより分かる。

人に興味を持ち、観察することからしか、相手のことは分からない

1.手順の説明

以下において、「見方を増やす「口説き」の技術 ~状況を把握する」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本節のまとめ

・「認知的視点取得(自分の尺度から離れ、相手の視点から物事(状況)を見たり感じたりできるか)能力」があるかどうか。相手がこちらのすることや言うことにどう反応するかを予測することが大切。この能力さえあれば政治的に緊張した状況でも「メンツ」を失わず、普通ならコミュニケーションチャンネルがシャットダウンしてしまう場面でもチャンネルを開いておける。

・相手の視点を目指す旅の出発点は「自覚」。自分自身のニーズや心情やコミュニケーション傾向もわからないのに、相手を正確に理解できない。

・自分本来の説得モードや説得スタイルを突き止めることで、自分のコミュニケーションの「基本路線」がわかる。
➀準備期間があまりなくて本来の自分で勝負するしかない場合、自分がどういうアプローチに出る傾向があるかを予想できる
②もっとじっくり準備が出来る場合、成功率をあげるためには自分のスタイルをどう修正すべきかが分かる

<説得戦略の6つのモード>
・優れた説得者は「まるでカメレオンのように目の前の状況に順応できる」という。
➀利益(相手のニーズに訴えた利益にもとづく説得)
②権限(巧妙な演出の状況で、正当な権限を突き付けられ、利益に合致した説得)
③政治※(同盟の利用、圧力戦略、権限術数は、家族でも企業でも、集団であれば必ずある政治的行動による説得)
④理性(自分のアイデアの利点を裏付ける根拠や証拠を提示。相手の態度や信念や行動に影響を及ぼそうとする説得)
⑤ビジョンー理念や感情(相手が大事にしている目的、価値観、信念などに訴えてアイデアを売り込もうとする説得)
⑥人間関係(類似性、嗜好、ラポール、相互利益などを利用。またはコネや友人などの既存ネットワークに頼って道を開こうとする説得)

<自分を発見して説得術を身につける>
➀あなたが心地よいと感じる音量ゾーンはどのあたりか―大音量か小音量か
②あなたの視点は、自分中心と相手中心のどちらか一方にはっきり傾いているか
③あなたの好きなモードは権限、理性、ビジョン、利益、人間関係、政治のどれか

・自分が普段使っているモードはどれか、相手が反応しそうなモードはどれか、必要ならモードを変えていく。

3.疑問に思ったこと

「早く言えば、相手の感じるように感じ、相手の見るものを見るスキルである。説得しようとする場合、目的は相手を味方につけることであって、打ち負かすことではない。」
「(・・・)相手がこちらのすることや言うことをどう反応するかを予測することが大切だ。」
これらの文を重要ポイントとし、ピックアップします。

それをふまえ、下記に疑問に思ったことを示します。
「著者のいうように、“相手の感じるように感じ、見るスキル”は誰でも備えたいと思うだろう。
ではそれをどうやって備えられるのか。意識だけで変えていけるものなのだろうか。
また、“相手が(・・・)どう反応するかを予想することが大切”とあるが、それもまた、身につけるための具体的な行動などがあるのだろうか。」

4.学びをどう生かすか

『Nature Neuroscience』紙に書かれた研究発表によると、脳の活動により「自分で認識するより7秒も早く、自らの決定を予測できる」という発表が示されています。
ただし、「脳の予想が完全に正確だったという訳ではなく、予想が外れたケースは決定間際になって自由意志が働き、潜在意識による受け入れがたい決定を覆すのかもしれない」とも書かれています。
(また他の研究結果では、行動する0.2秒前までならば自由意志が働くといいます。)

「人間の決定は、脳の活動により協力に準備されている。意識が働き始める時点までに、大半の処理がすでになされている」
(マックス・プランク研究所、ジョン・ディラン・ヘインズ博士の研究報告による)

これらから、相手の反応を予想したり、感じていることを感じるスキルを身につけたりするには、「さて見よう!」と思って見るのではなく、常日頃からみることを習慣化させることが必須となります。

つまり、実践の場においていきなりできるものではないということです。
なぜなら、見ようと意識したときすでに脳内では7秒先に指令を出しているということになります。
人の反応は無意識によるものが大半を占めています。
よってみたい相手の反応を見逃している場合も多いのです。

今すぐに実践できることは、「常に人を意識して見る、感じる、反応を観察する」ことを習慣にするということです。
それが無意識にできるまでは時間がかかります。
しかし実践し、習慣化に成功すれば、それは自分自身にとって重要な能力となりうるのです。

そしてその大前提として、「人に興味を持つ」という事が挙げられるのではないでしょうか。
なぜなら興味のないものに対していくら意識していても、見ることに飽きてしまうし、そこから何かを学ぼう、得ようと思っても吸収することは難しいからです。
もっと人を好きになれば必要になった時に、相手の感じることを感じられ、より良い関係がつくれるようになるといえるのではないでしょうか。

普段から、教師であれば子ども達に対して、興味を持って接していると思います。
ですから、わりと教師であれば常に人を意識してい見ているので習慣化されている人も多いと思います。

人数が多くて全員の子ども達、一人ひとりの感じていることを受け取るのは困難かもしれません。
しかし、「なぜそんな行動をとったのか」「なぜこんな事を言うのか」「なぜこういう関係に至ったのか」など、表面的な問題だけでなく、その過程まで観察するようにしていくと、より子ども達のことを理解でき、それによってより有効な手立てが出来るようになるのではないでしょうか。

5.まとめ

今まで私はよく「人に無関心ね。」と言われたり、「何を考えているのか分からない」と言われたりしてきました。
その根底に「人に興味がない」という事が言えます。
しかし、年を追うごとに「人への興味関心」がむくむくと湧いてきたのも事実です。
もっとこの本に書かれていることを早く知りたかったのは事実ですが、今からでも遅くないと思っています。
「常に人を意識」して、それを習慣化させていく。なぜならそれによって、「相手が感じていることを感じられるスキル」が身につくと言えるからです。

学校では子どもを始め、同僚、保護者との関係は外せない大事な人間関係です。
それをより良好にするために、このスキルを身につけて望むことを伝える(「口説く(説得)」)できるようにできたら、悩みが解消しやすくなるのではないでしょうか。

【参照】

※政治(ここでは社会科学による定義)
個々人が、通常は集団を結成して、組織全体の行動に影響を及ぼそうとするプロセス。

■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。