人間は常に「物語」を欲している?

人間は常に「物語」を欲している?

「物語」を語ると、スッと人の心に入っていける。


1.手順の説明


以下において、「感動を売りなさい~相手の心をつかむには『物語』がある」の「コミュニケーションにとって必要な物語」要約を行い、それについて批評します。

まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。

主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本節のまとめ


・飢えたオウムにとって最も必要なものは、食べ物。
コミュニケーションにとって最も必要なものは、物語(人間に最も必要な栄養を含んでいる大事なもの)。

・人は情報だけでは満足しない。ストーリーの形でメッセージを伝えると…
→人は自分が人間としてみなされている。
→生身の人間としての自分に情報が伝えられている。
→自分は孤独ではない。
と感じ、その実態が心を元気にする。

・コミュニケーションは、ニーズ(衣食住。そして心。)を満たすという単純な目的をかなえるための手段。

・心のニーズを満たすのは、どんなストーリーを語るかによって決まる。

3.疑問に思ったこと


「心のニーズを満たせるか満たせないかは、自分に(あるいは相手に)どんなストーリーを語ることが出来るかによって決まるのです。」

この文を重要ポイントし、下記に疑問を示します。

「物語1つで、心のニーズが満たされるものなのだろうか。」

4.学びをどう生かすか


物語(ストーリー)の形で伝えていくと、伝わりやすいというのは耳にしたことがありました。
でも、実際の生活で活かせているかというと…活用できていないのが現状です。

この本を読み進めた時、一気に引き付けられました。
著者が言うには、それはやはり「物語」から始まっていたから。

物語を語ることで、生身の人間として感じたり、相手が孤独を感じなくなったりすることがあるのかどうかは、正直、信じることができません。

しかし、小説や物語の本を読み、感動したり、涙を流したり、満たされた経験は誰しもあるはずです。
ということはやはり「物語」というのは人間の心を満たす目的があると言えます。

でも、それが果たして普段の生活と密着しているのでしょうか。
確かに教師や親であれば、実際に子ども達に様々な話を語る機会があります。
そんな時、ただ出来事の羅列や伝えたいことを情報として伝達するだけでは、あまり反応がなく、子ども達もすぐに忘れてしまいます。
しかし、物語を伝えたいことに含ませると、1年経っても忘れていなかったり、強く心に残っていたりと、無意識に子ども達の心に響いていたという経験はありました。

何度も挨拶をするように指導しても、できなかったAくん。
それは幼稚園の頃からだと聞いていました。
私も、会うたびに挨拶をして促していましたが、効果はありません。
普段から、寡黙気味な子ではありました。

しかしある時、特にAくんに対してではなく、全体に挨拶に関する物語を話したことがありました。

その日からです。
Aくんが小さな小さな声で、あいさつをしてくれるようになりました。
たった1つの物語を知った瞬間、何年もできなかったことができるようになったのです。人の心を動かしたのです。
子ども達と関わっていくと、そんな出来事はたくさんありました。

他によく覚えているのは、彼らが感動した物語のこと。
1度話しただけでも、その物語を完全に覚えて嬉しそうに話してくれる子もいました。

今まで、物語を無意識に語っていたから気づかなかったのかもしれません。

それが分かっているならば、普段の生活の中でのコミュニケーションでも、本当に伝えたいことは積極的に事前に物語として構成して伝えていくと、
何度も何度も繰り返し伝えるよりも、よっぽど効果的なのだと思います。

でも、まだまだ無意識で物語を伝えている人が多いので、もっともっと有効に多くの人が物語として伝えていけば、孤独を感じている人の心を満たせるかもしれないし、人のつながりもより強くなっていくかもしれません。

ではどうやってより伝えたいことが伝わるのか、これから紹介していきたいと思います。

5.まとめ


子ども達に限らず、人間は物語が大好きです。
そういわれれば…と言った感じですが。

でも、だからこそ本の需要があるし、映画や漫画、物語によって進んでいくゲームなど、人間はどこまでも物語を求めてやみません。

そんな人間の本質を今まで知らずに生きてきました。
子どもと関わるのであれば、人間と関わっている人であれば、物語を意識することはとても重要なことなのだと気づかされました。

ではどんな風に物語を構成していけばいいのか、どんなタイミングで、どんな間で伝えていけばいいのか。
それを知って活用できることにワクワクしています。


■ 執筆者情報
森田 恵 【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。