コロナ禍が変える日本の教育——教職員と市民が語る現場の苦悩と未来 単行本(ソフトカバー)
2021/4/7

NPO 法人「教育改革2020『共育の杜』

≪目次≫
  • はじめに 【NPO法人「共育の杜」理事長 藤川伸治】
  • PTA役員を通してみたコロナ禍の学校と子ども 【神奈川県相模原市立清新小学校PTA副会長 村上聡子】
  • 「コロナ禍がもたらした教育の転換期」、教育行政の視点から【熊本市教育長 遠藤洋路】
  • コロナ禍における京都府教育委員会の対応 【京都府教育委員会教育長 橋本幸三】
  • 困難をポジティブに乗りこえ、幸福な未来へ 【熊本市立楡木小学校教諭 西尾 環】
  • コロナ禍で得たもの 【東京都小平市立小平第三小学校教諭 向 祐佳】
  • 新規採用職員奮闘日記 【神戸市立住吉中学校教諭 北村陽輔】
  • 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い学校教育が直面した課題と現状 【鹿児島県立蒲生高等学校教務主任 德永則幸】
  • 医療的ケアが必要な子どもが通う特別支援学校の現状 【北海道特別支援学校教諭 三浦友和】
  • コロナ禍がもたらしたもの 【新潟県新潟市立上山中学校養護教諭 珊瑚実加】
  • コロナ禍で明らかになった学校給食の役割 【神奈川県相模原市立共和小学校栄養教諭 髙木美納江】
  • コロナ禍から考えるポストコロナ時代の学校事務 【埼玉県川口市立小谷場中学校事務主査 栁澤靖明】
  • 今こそ、形状記憶マインドから脱却するとき 【神奈川県横浜市立日枝小学校校長 住田昌治】
  • ウイズコロナにおける、子どもを真ん中に据えるチーム学校 【公立小学校教頭 池乗節子】
  • コロナ禍のスクールカウンセラー 【公立小・中学校スクールカウンセラー 中野早苗】
  • 支援員、そして保護者としてコロナ禍で学んだこと 【福岡県鞍手郡鞍手町立剣南小学校特別支援学級支援員 野中香奈子】
  • ICT支援員にできること 【合同会社かんがえる代表 五十嵐晶子】
  • 誰もが安心して過ごせる学校を、今こそ 【神戸市教職員組合書記長 釜口清江】
  • コロナ禍が子どもたちの心に与えた影響 【地域から学校を支援する市民 AMCアート&マインドセンター主宰現代アーティスト 水谷イズル】
  • 学校における新型コロナウイルス感染症対策について 【文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課前課長 平山直子】
  • アフターコロナの教育を考える 【熊本大学准教授 前田康裕】
  • コロナ禍における教職員の過酷な勤務環境 【NPO法人「共育の杜」理事長 藤川伸治】
  • あとがき 【NPO法人「共生の杜」理事(発起人) 佐々木浩一】

自ら考え行動した学校の記録(2021年3月28日、朝日新聞)

教員のほか、学校に関わる多様な職員、教育行政担当者の文章を集めたのが、NPO法人「教育改革2020共育の杜」だ。

「コロナ禍が変える日本の教育――教職員と市民が語る現場の苦悩と未来」(明石書店)を来月初め、出版する。

「共育の杜」は、コロナ禍で孤立し、悩みを抱える教育関係者が増えるのではと、昨年2月、非公開のフェイスブックグループ「心の職員室」を立ち上げた。
そこに投稿した人を中心に体験談の執筆を依頼。
教育長や教諭、養護・栄養教諭、特別支援学級支援員、PTA役員、文部科学省の前担当課長ら22人が文を寄せた。

子どもの様子をつづった文章が目立つ。

ある中学養護教諭は「休校明けに体重が激減している生徒が複数いた」
スクールカウンセラーは「リストカットをしている子がやや多くなってきている。背景は家庭不和が多い」と書いた。

新たな気づきもあった。
「オンラインで学校外の教員ともつながりやすくなった」(小学校教諭)
「行事を中止せざるを得ないなかでPTAの仕事を簡略化し、負担を減らすことができた」(PTA役員)
「教え込み授業から子ども中心の学びに変えるという今までできなかったことができるチャンス」(小学校校長)
などだ。

「全ての学校が自ら考え行動することを求められ、前に進もうとした記録。そこからコロナ後の学校の姿が生まれつつある」と「共育の杜」理事長の藤川伸治さんは語る。