苦手を避ける前に省察すると、案外楽しいことに気付く

【更新日】 2018年11月10日(土) コミュニケション・外国語運用能
苦手を避ける前に省察すると、案外楽しいことに気付く

『ソース』
~ソースの車輪~の学びを生かす


1.手順の説明


以下において、『ソース』の「第25章 ソースの車輪」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本章のまとめ


・あなたの「存在意義」は考え方や価値観の根本を表し、生きる理由や目的を表明するもの。「ソースの車輪」は、これからの人生でワクワクを使ってどう生きていくのかの具体的な指針、行動の指針。人生のそれぞれの分野で何をしたいのかを明らかにしたもの。存在意義からはずれないための道案内。

【ソースの車輪のやり方】
・車輪の中心は「あなたの存在意義(ワクワクの源泉)」。
・車輪の中心からは10本のスポークが放射線状に広がり、円を10等分し、それは人生の重要な分野。バランスの取れた人生にするために、なるべく欠けることなく揃える。

<バランスをとるために必要と思われる人生の重要な分野>
「自分」「家族」「友人知人」「学ぶこと」「社会との関わり・社会貢献」「社交」「レジャー」「体の健康」「心の健康」「財政」

・太字は必要最低限。
・仕事や職業の分野は意図的に抜く。(職業に生きるのではなく、生まれてきた目的、存在意義にのっとった人生を送るのが本来の生き方。)
・ワクワクリストをソースの車輪の各分野に当てはめる(1つのキーワードを2つ以上の分野に書き込んでもいい。)
・ワクワクのキーワードをどの分野に書き込むか。それはどの分野にワクワクを発展させるかを宣言すること。
・分野が片寄ったらワクワクや興味がその分野にフォーカスしておらず、片寄っているということ。これからの人生で空白を埋めることに注意を払う。
・ワクワクを他の分野にも拡げてる。応用範囲を拡げ、人生のフィードバックを拡げる。
・空白が生じやす分野「社会との関わり・社会貢献」の考え方は、人がワクワクしたことをすると社会は今より住みやすくなり、また全ての人が百パーセント一人の例外もなく社会貢献している。

3.疑問に思ったこと


「ソースの車輪にはあなたが人生にバランスをもたらす役目があります。」
この文を重要ポイントとし、ピックアップしました。

これをふまえ、下記に疑問を示します。

「ワクワクすることを他の分野に広げていくことは難しいのではないか。
バランスが大事だということは分かるが、それを苦手意識のある分野に拡げていこうとしたときに、ブロックがかかってしまうのではないだろうか。」

4.学びをどう生かすか


著者は、「自分」「まわりの人との人間関係」「社会との関わり・社会貢献」「心の健康」「健全な財政」が必要最低限の分野だと述べています。
もちろん、理想は全てを網羅できることです。

しかし例えば「人間関係」が苦手な人がいます。
私もその一人です。
そこにどうしてもワクワクを感じないで苦痛しか感じない人もいるのではないでしょうか。
著者は「ワクワクすることをしていく。」と述べています。
もし仮に、それが苦痛であればどうやって拡げていけばいいのでしょうか。

苦痛だと感じる時、それは「感情」があるからこそ苦しくなると元自衛官のメンタル教官が述べています。
「感情」の強さ 3段階
➀「危機対処」段階(3倍反応モード)
②「警戒」段階(2倍反応モード)
③「予防」段階(通常反応モード)
(元自衛官のメンタル教官 「人間関係の疲れを取る技術」 下園壮太氏)

何かに反応したとき、感情が「危機対処」→「警戒」→「予防」と進んでいくといいます。
そしてこの3段階を経て感情が収まり、収まってしまえばあまり気にならなります。

しかし、第二段階の「警戒」の時点で無理をして感情を抑え込む人が多いので、「警戒」でとどまってしまう人が多いのです。
つまり、ずっと「警戒」の状態のまま、相手と向き合っている状態なのです。

これでは「人間関係」がうまくいかないのもうなずけます。
ずっと警戒されていたら、相手も何かを感じ取って関係はそのままギクシャクしたままになるのは当然です。

そこで、この「感情」を抑え込むのではなく、きちんと感じ取り、その上で自分の反応を変えていけばいいのです。

感情を「抑え込む」のと「感じ切る」とは違います。感情をなくしたり、消したりすることは出来ません。
「私は今、苛立っているな。」
「私は今、とても悲しくて寂しい。」
と感情を感じ切るのです。

そして、そのあとの行動や反応には必ず自分自身のパターンがあります。
そのパターンを変えていくのです。

「悲しい」→「ネガティブに考え始め、自暴自棄になる」→「どうせうまくいかない、と落ち込む」
これは昔の私のパターンでした。

しかし「感情」を感じ切り、パターンを見つけてからは、
「悲しい」→「なぜ私はこんなにも悲しくて泣きそうになっているんだろう」→「冷静に客観的に現実を見る」→「自分の望む方向をイメージする」→「何かできることがないか模索する」→「行動に移す」
というように、反応パターンが変化していきました。

「悩む」ということはそこに関心があり、「成長したい」という欲求があるのだと、「まんがで知る 教師の学び」の著者である、前田康裕氏が述べています。

「成長したい」なら、まだそこにワクワクすることがなくても挑戦してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。
それにより、思ってもみないワクワクが潜んでいるかもしれません。

ちなみに、私は苦痛でしかなかった「人間関係」が反応パターンを変えることにより、望む方へと変化しています。そして、今はワクワクすることの一つに変わったのです。

まずは「感情」を無視せず、感じ切ることから。
そしてその後、どう対応するのかを省察※していくことが成長し、自分がより楽しく生きるための工夫なのです。

5.まとめ


誰しも苦手分野は存在します。
そして可能であれば、その分野にわざわざ足を踏み入れる必要はないのです。
私自身、著者の言うバランスをとるために必要な部分として、「社交」の部分にひっかかっていました。
しかし、苦手分野の克服という意図ではなく、その「社交」と言う場に足を踏み入れたとき、「イヤだな」等の感情を消すのではなく、自分がどう感じているのかを感じ切り、それを省察していくことが大事なことなのだと知りました。
つまり、その省察の後、自分がワクワクするのか、その「社交」という場から離れるのかを決めていけばいいのです。

それを1つひとつ自分で確認していく。
それが自分を知ることであり、自分の存在意義を見直すことにつながるのです。

【参照】


※省察
振り返り、それを生かすこと→優れた教師になるための「省察のすすめ」
(この記事もオススメです)→学習者側から授業を組み立てることで授業が変化する⁈ ~前田康裕先生へのインタビュー 第1弾~


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。