「なぜ」の問いかけで、自分の夢を知ろう!

【更新日】 2019年5月29日(水) 学校の働き方改革と教師の学び方
「なぜ」の問いかけで、自分の夢を知ろう!

夢を語るって大事なこと!まずは大人が夢を語り、実現していこう!


1.手順の説明


以下において、「GRIT~やり抜く力」の「『やり抜く力がない』とはどのような状態か?」の要約を行い、それについて批評します。

まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本節のまとめ


・『究極的関心』(心理学での呼び名)
自分に対して『なぜ』を問いかけると、つねに『~するため』という答えが見つかる。やがて最上位の目標(=ほかの目的の『手段』ではなく、それ自体が最終的な『目的』)にたどり着く。

・著者は、最上位目標=コンパス(その下に続く全ての目標に方向性・意義を与えるもの)と考える。

・『やり抜く力』の非常に強い人は、中位と下位の目標のほとんどは、何らかの形で最上位の目標と関連している。

・『やり抜く力』の欠如
→『ポジティブな空想』(心理学者:ガブリエル・エッティング)による。
目標達成までの道のりを考えずに、ただのバラ色の未来を想像しているだけでは、短期的にはプラスでも、長期的にはマイナスになる。

3.疑問に思ったこと


「目標を達成するまでの道のり(とくに大事なのは、どんな障害が待ち受けているか)をしっかりと考えずに、ただバラ色の未来を想像しているだけでは、短期的にはプラスの面があったとしても、長期的にはマイナスになるということだ。」

この文を重要ポイントとし、下記に疑問を示します。

「多くの人、特に子どもたちが、上記の状態であると言えるのではないか。また、「やり抜く力」はどうやって身につくのかということを大人が伝えていくことが必要なのではないか。」

4.学びをどう生かすか


大人が子供たちに伝えることはたくさんあると思います。
その中でも、本書に書かれているような、『やり抜く力』の身につけ方や、目標の達成までの道のりについては教えてあげるべきなのではないでしょうか。

しかし現実では、多くの大人たちでも(特に日本では)この「やり抜く力」が欠如していると言えます。
忍耐力という面でいえば、日本人は群を抜いているのかもしれません。

自らの目標に向けて自分のバラ色の未来を想像する人はたくさんいます。
しかしそれに向けて目標を達成していくという、その方向への「やり抜く力」は欠如しているといえるのではないでしょうか。

そもそも、バラ色の人生を想像するだけで「それは非現実的だ。」と諦め、多くの人が夢や希望を持たずに生活しています。
どうせそんなことは夢物語だ…とでもいうように。

このような調査結果が出ていました。
2018年1月に成人式を迎える新成人のうち、「将来の夢がある」と答えたのは、54.4%、「いまのところない」は37.8%、「わからない」が7.8%(マクロミル「2018年 新成人に対する調査」より)という結果があります。

2012年をピークに、将来の夢を持つ成人の%は減少傾向にあります。

最上位の目標がなければ、その下位の目標を立てても楽しくありません。
また、どこへ向かうのかのゴールが不明確なので、「やり抜く力」があるかないかの以前の問題です。

この夢を持てないという傾向は、年齢と共に低下しています。
30代、40代…と年齢が上がるにつれて夢はないと答える人が増えています。
24歳が、夢を諦めたという年齢の平均結果も出ています。

しかも、今すぐにでもできそうな夢でも叶えようと行動せず、そのまま何の行動もしない人が多いといいます。
これは今までの経験や環境が大きく影響しているのではないでしょうか。

どうせ上手くいかなかった。
親や周りの大人たちが、自分の夢のことを否定し、それを信じ込んで「どうせ叶うわけがない…」とあきらめた。
そんな人は周りにたくさんいます。
むしろ、夢を語ると馬鹿にされたり、「そんなこと言ってないで、現実をみなよ。」と慰められたり。

こんな風に身近な大人たちが、夢を持たずに生きていたら。。。
夢はあっても、いつまでも語っているだけで実行に移そうとしていなかったら。。。

そんな姿を見続けていたら、子ども達が夢を持つこと自体を諦めてしまうのも納得がいきます。

だからこそ、「やり抜く力」の前に、大人たちが夢をもち、それを実行していくことが子ども達にとって何よりもよい見本となり、バラ色の未来を想像できるようになるのではないでしょうか。
仮にそれが難しくても、大人が子供の夢を否定せず、その目標に向けて同じ方向をみて信じてあげたり、できることを伝えていくことはできるはずです。

「どうせむり」なんて言葉を子どもが言う前に、その道のりを共に考えてみてはいかかでしょうか。
「どうせできない」という前に、まずは大人である自分が、できそうな夢をかなえていってはいかかでしょうか。

5.まとめ


特に日本では夢を持つ人がとても少ないと感じます。
大きな夢でも、小さな夢でも、自身で叶えたい!なりたい!やりたい!と思うことは悪いことではありません。

でも「お金の問題が…」、「時間が…」、という人も多いと思います。
では何のために働いているのでしょうか。
子どもの養育費のため、生活のため、という人も多いと思います。
ではその子供たちにどうなってもらいたいのでしょうか。
「幸せになってもらいたい。」ですよね?
その幸せとはどのようなものですか。

など、著者の述べているように、「なぜ」を繰り返していったり、「どうしたい」といった疑問を投げかけていくと、自分のゴールが見えてくるはずです。

ただ働くのではなく、最終目標の子どもの幸せのために働くというのは素晴らしいことです。
でもそこを忘れてしまいがちなので、常に自分に疑問を投げかけてみてはいかがでしょうか。


■ 執筆者情報
森田 恵 【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。