妥協はしなくてもいい

【更新日】 2018年9月25日(火) コミュニケション・外国語運用能
妥協はしなくてもいい

『ソース』
~妥協のウソ~の学びを生かす


1.手順の説明


以下において、「ソース 第8章 妥協のウソ」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本章のまとめ


・自分がやりたいことを全部やるのは可能だし、やりたいことはすべてやるべき。真に豊かな人生を送っている人たちは、やりたいことをすべてやる生き方(世間の「妥協の神さま」(これがほしいなら、あれは諦めなさい。どちらも欲しいというのはわがままだ)の反対。)をしている。

・両立(何も犠牲にしなくても、自分の好きなことをすること)は可能だという新しい考えを信じ、柔軟な思考(ガチガチの狭い考え方にしばられ、堂々巡りをしている状態からの解放)をしないと、解決策は見つからない。そのためには、自分のやりたいことをすべて実現する考え方を見つける必要がある

・あなたは人生のデザイナーであり、エンジニアであり、設計士。妥協せず思い通りに、自分の夢をかなえるため、自分の欲しい物をすべて手に入れる人生を、自分の手でデザインすることが可能。

3.疑問に思ったこと


「真に豊かな人生を送っている人たちは、やりたいことを全てやれる生き方をしている。」
「こうした考えは(略)世間の『妥協の神さま』に真っ向から反対することです。」
この文を重要ポイントとしてピックアップします。

これををふまえ、下記に疑問に思ったことを示します。
「現代、多くの人がこの“妥協の神さま”に苦しんでいるのではないか。
ではこの“妥協の神さま”と言われるほどに世間が人生において妥協をするのはなぜなのだろうか。」

4.学びをどう生かすか


今までの習慣で、どうしても「やりたいことをするには何かを犠牲にすべき」と思い込んでしまう人が多いのではないのでしょうか。

その一つの例として、今まで「我慢強い子が将来成功する」という世間の通念があったからともいえます。
「マシュマロテスト」というものをご存じですか。
子どもに目の前にマシュマロを置き、我慢できるかどうかのテストです。
そこで我慢できた子どもはその後、学業成績が相対的に高くなるという実験結果が出ています。

ここでのポイントは「学業成績が」相対的に高くなるという点です。
この学力は高いに越した方がいいと思うのは一般的な考え方であり、それが高いからといって将来幸せになれるかどうかは分からないのです。

つまり、人々の中に洗脳されたように常識化されている『妥協することは仕方ない』『好きなことばかりしていられない』『我慢は必要』そして『学業成績が良ければ幸せ』という常識が、多くの人を苦しめ、夢やほしいものに対しての『あきらめの気持ち』を生んでいると言えるのではないでしょうか。

また、やりたいことを犠牲にし、我慢することは学業成績は高くなると言われていても、人生そのものを楽しめるのか、幸せになれるのかというのは別問題です。

むしろ我慢することで、よりよい報酬が得られるという考えが自分の中にあるとしたら、それは一度疑ってみるべきではないのでしょうか。
その報酬が欲しい物であれば構わないと思います。
しかしそれが本当に望んでいるのものかどうかも分からない時は、考え直すべきです。

また、妥協に関して面白いデータがあります。
明治安田生活福祉研究所の調査(2017年)によると、「結婚したかったので理想・条件をさげた」という35~54歳までの既婚者に対して、結婚相手に対して理想・条件を下げたことを後悔している人が男性49.7%、女性56.1%と半数を占めていたといいます。

このデータからも、妥協することで半数もの人が後悔していることが数値として出ています。
これは結婚という相手のいることなので分かりやすい例と言えます。
自分の人生において同じように妥協していることがないか調べてみると、同じように後悔していることがでてきます。

子ども達の中にも、あんなに幼いのに妥協してしまっている子がいます。
それは周りの大人たちの影響を受けているのは間違いありません。
親であったり、教師であったり。

しかし、幼い頃のイメージは今ならすぐに払しょくし、書き換えが可能なのです。
これは大人になってからは大変です。

諦めること、妥協することはとても簡単で楽な方法なのではないでしょうか。
そう思うと、教師として何を子どもに伝えられるのか、どのように導いていけるのかを考えてみるきっかけになるのではないかと思います。

自分や子どもたちの将来のためにも、著者が述べているように「自分の手で自分の人生をデザインして」いくことを心がけていくことは大切なことなのではないでしょうか。

5.まとめ


自分の中の常識や世間の常識は一度疑ってみると面白いです。
むしろ、その作業がより自分の人生を豊かにし、夢への実現に近づくとしたら、やらないという選択はもったいないのではないでしょうか。

妥協というとあまり良いイメージがありません。
しかし、多くの場面でしなくてもいいはずの妥協をしているとしたら、それは改善してもいいのではないでしょうか。
夢のため、やりたいことのための我慢は時に必要です。
そのあたりを見極めていくことが、人生を決めていくといっても過言ではないかもしれません。


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。