決断の先延ばしをしていこう!

【更新日】 2018年9月25日(火) その他
決断の先延ばしをしていこう!

『ソース』
~決断のウソ~の学びを生かす


1.手順の説明


以下において、「ソース 第7章 決断のウソ」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本章のまとめ


・ぐずぐずと決断を先に延ばしている時、実際は潜在意識が(無意識下で)情報を収集して次に起こる事態に備えて準備(物事が明確になるまで時間かせぎ)をし、精神的肉体的に好ましくない状況を避けたり、事態の本質を把握したりしている。

・性急な行動やその場限りの行為は事態の本質を正確にとらえていない。状況をはっきりつかんでいなければ、固い決意は生まれないし、賢明な判断もできず、責任ある行動も生まれない。

・潜在意識(心から夢中になるものをみつけ、実行し、集めた情報を熟成させて、整理)が間違うことはなく、喜んでいるか、間違っているかのどちらか。

3.疑問に思ったこと


重要ポイントを
「私たちにとって最善の行為は、決断をぐずぐず先に延ばすことだ」
としてピックアップします。

これをふまえ、下記に疑問に思ったことを示します。
「先延ばしにすることが最善の行為である、ということに違和感を持つ。
このポイントは、どういった場合に適用されるのだろうか。
これは優柔不断は最善だということと同義なのだろうか。」

4.学びをどう生かすか


私は優柔不断です。
この章だけ読むと、都合よく解釈し、「優柔不断でいい」と言われている気がしてしまいます。
常に迷い、決断を先延ばしにし続けることは果たして「最善の行為」ということなのでしょうか。
スポーツも投資もビジネスも(略)成功の秘訣は先延ばしにあった
(米国サンディエゴ大学法学・金融学教授のフランク・パートノイ)

一流の人は、決して意思決定を急がず、素早い決断を避ける傾向があるそうです。
著者同様、「ぐずぐず先に延ばすこと」が良い結果につながることが多いというから驚きました。

パーノイ氏の主張として、
「現代人が直面する問題が複雑化。なのに考えるための時間は短い。直感にすがるしかなく、立ち止まって考えようとしないから最悪な結果を生んでいる。」
といいます。

何事も最高のパフォーマンスを発揮する人は、「待つタイミング」を知っていて、周りがなんと言おうとじっくり待っています。
また、「我々人間が刺激に出くわすたびに反応する動物と同じでいいのだろか。もっと大きな使命を持って生まれたのではないか。」という問いかけには、考えさせられるものがあります。

つまり、「ぐずぐず先に延ばすことは大事だ」と述べている人が多いのです。
先延ばしにする癖を治そうと世間では言われていますが、実際はそうではないということなのでしょうか。
「物事の先延ばしは大いに結構。むしろ一つのことをだらだらと考えるかわりに、他のことに取り組めばいい。それには意義がある。」
(スタンフォード大学名誉教授 ジョン・ペリー)

この言葉をきちんと理解していなければ、「優柔不断でもいい」と勘違いされてしまう可能性があります。
「いつでも何でも先延ばしにすることがいい」などと著者は述べていません。

だらだらと考えるのは、目の前の一つのことだけに限定します。
他のどうでもいいこと、つまり自分の心に違和感がなく、ただ迷っているだけ、どちらにいっても変わらない時はスパッと決断し、考える必要のあるものに時間を使うということです。

ポイントは「どうにも気が乗らなくて、決断を先延ばしにしている時」です。
これを小さなどうでもいいことに適用するのではなく、本当に大事な場面できちんと考える時間を持つということ。

その見極め、心の声に向き合うのは慣れていないと難しいと言えます。
それには普段から意識して「考えること」「考えないこと」を分けて時間の使い方をしていく必要があります。

まとめ


この「ぐずぐず先に延ばすことは最善の行為」という言葉に衝撃を受けました。
その根底には、心の声や自分の気持ちに素直にしたがう、ということがあります。

何でもかんでもぐずぐず時間をかけるのではなく、一点に集中します。
本当に必要な決断の時、自分がなぜか前に進めない時に「ぐずぐず先にに延ばすこと」が最善となります。

これは子ども達にも伝えられることだと思います。
むしろ、幼いころからそのような「癖」をつけておくことが出来たら、大人になって自分の気持ちや心の声に素直でいられるようになるのではないでしょうか。

このことをしっかりと捉えて、生かしていくことができたら、適切な判断をしていけるようになれるのです。


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。