「授業観」を磨く教師は、成長が加速する

「授業観」を磨く教師は、成長が加速する

『まんがで知る 教師の学び』
「リフレクションと自己改善」からの学びを生かす


手順の説明


「まんがで知る 教師の学び」の「第3章 リフレクションと自己改善~成長するためには授業観を磨くこと」の要約を行い、それについて批評をします。

まず順を追って要約し、必要ならば補足し、次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップ、それについて自分の視点からコメントし、批評をします。

主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明していきます。
最後に全体を要約して結論づけてまとめていきます。

本章のまとめ


・対話(言語化)を重ねることで、本質的な気づきが生まれ、それが省察(振り返りからの改善)に有効に働き、自己成長につながる。

・対話により、自分の核になる授業観※が目に見える形になり、より磨きがかかる。

となります。

疑問に思ったこと


重要ポイントとなる文は
「『本質的な気づき』を促すために、(・・・)『対話』が必要だ。」
「授業観を磨きながら省察することで教師は自己成長する。」の2文をピックアップします。

今回、私は、
「何を意識し、どんな視点で授業を参観し対話を繰り返せば、本質的な気づきが生まれ、授業観を磨くことができるのだろうか。」
という問題提起をしてまとめました。

気付きをどう生かすか


「授業観を授業の参観や研究、教師同士の対話を重ねることで少ずつ自分の理想へとバージョンアップしていくことが求められている」
と主人公は述べています。

しかしただ単に、何の視点も持たず、意識しない状態で授業の参観や研究、対話を繰り返しているだけでは自己成長の歩みは遅く、気づきも得られにくいのです。

またその場合、教育技術※に関して言えば、議論が行われていることが多く、その気づきは得られやすいと言えます。

実際に私も教育技術に対する気づきは多く得られ、参考にしていたものの、授業観を磨くという感覚は全く生まれませんでした。
というより、「授業観」ということを全く意識していなかったのです。

それならば、自分で「授業観」を見ようとする視点が必要です。
しかし新任教師などはそれどころではなく、またベテランと呼ばれる3年目以降でも日々の授業に追われています。
意識しなければ、たとえどんな良い授業を参観しても得るものにかたよりが出てしまいます。

それではどのような視点で、何を意識すれば本質的な気づきが生まれ、授業観が生まれるのでしょうか。
「教師に本当に必要とされているのは、授業の技術や手法ではなく、総合的な人間力なのです。」
文部科学省「優れた教師が備えるべき資質・条件」より※

と述べられています。

上記より、人間力が求めらえているのは言うまでもありません。
教師は一人ひとり違う人間です。
つまり「授業観」に関しても、その視点は各個人が自分で見つけ、考え、磨いていくしかありません。

人それぞれどんな人でも「授業観」を持っています。
特に「授業観」を意識していない人は、その人自身が幼少期に受けてきた授業がその人の「授業観」になっている事が多いと言います。

また主人公も「授業観」に関して、「教師がこれまでの経験の中で作り上げてきた『価値観』なのかもしれない」と述べています。
それを随時書き換えていくことを、「授業観を磨く」といい、主人公が薦めていることです。

つまり、「授業観を磨く」視点は自ら求めて見つけていかない限り、今持っているものから変わることなく、磨かれることはありません。

その方法として、私は下記の方法を提案します。

➀主人公の話にあったように、授業を見て「いい授業だ」と思った教師から直接「授業観」を聞き、参考にする。
(本書では「農業の学習の後には農業をやってみたい(・・・)と子どもたちが感じる授業をつくりたい」というのが、参考として述べられています。)
②子どもたちをどのように導きたいのか、どのような姿を目指すのかを明確にし、そのためにどのような授業にするのかを考え、意識した授業作りと対応をする。
③同僚や研究の場での対話の中で、意識的に教育観について対話をする。

5. まとめ


教育技術を身につけ、授業観を磨いていくことで教師の成長は止まることがありません。
しかしそれは決して容易な道ではないのです。

そしてまた、ひとりでは限界があります。
ひとりで抱え込まず、同僚や同志がいるだけでも、その成長はさらに加速します。
「授業観」は授業への信念ともいえます。

自身の「授業観」をどのように磨いていくかは、どんな授業に触れ、どんな人に会い、どのような対話を繰り返し、どんな想いを持って子どもの前に立っているかによって全く違うものになっていきます。

「授業観」を磨き、お互いに切磋琢磨する時、子どもたちにもそれが伝わり、教室内で変化が起こるのは間違いありません。

【参照】


※ 授業観
授業に対する基本的な考え方。どういう目的をもって、授業をしているのかということ。また、教師自身がどんな思いをもって、児童や生徒の前に立っているのかということ。

※文部科学省「優れた教師が備えるべき資質・条件」より抜粋
・教職にあるものはこうした技術や手法をきちんと身につけなくてはならないのです。しかし同時に、技術や手法がいくら立派でも、それだけでよい授業ができるわけではありません。良い授業といわれてきたものは、本来、技術や手法の良さと言われてきたことに単純に還元できぬものなのです。
(・・・)
教育においては教師の諸能力が全面的に問われるのではないか、さらには人間としての生き方やあり方までが全面的に問われざるをえないのではないか、と思われてきます。
(・・・)
教師に本当に必要とされているのは、授業の技術や手法ではなく、総合的な人間力なのです。
(・・・)
教職にあるものが努力するべき主要ポイント
2.人間的社会的に成熟した存在であること(人間として社会人としての成長)
1.開かれた柔軟なパーソナリティを持つ
2.自己受容し自身を持って心理的に安定している
3.人間的な暖かさと協調性を持つ
4.社会的な常識と責任感を持つ

最後に


上記の内容からも、一人の力では限界があります。

自分を客観的にみる。
人からフィードバックをもらう。
自分に必要なものは何かを知る。

そういったことは「つながり」の中からでしか、得ることはできません。
その「つながり」を作る場をつくりました。

共につながりあう事で、自らを磨いていきませんか?
あなたの力を、今のままにしておくのは
とてももったいない。
そう思います。

あなたを必要としている人たちが、たくさんいるのです。

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■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。