現実は
「
忙しい!なんでこんなに忙しいんだ!」
「早く帰って夕飯を作らないといけないのに。まだ
帰れそうにない。」
「あの先生はいつも5時に退勤していてうらやましい。しかも学級はうまくいってるし、仕事は速いし、進んで授業を受けている。僕もあんな風になりたいのに。」
こんな状況の先生は多いのではないだろうか?
そんな悩みを持っている人は、この記事を読んで
ぜひ解決してほしい。
理想は
「今日も
一番に学校を出て、家族との時間を楽しめた。」
「先生って、他の職業と比べて自分次第でいくらでも
時間を調整してできるからいい。僕は空いた時間で
本をたくさん読んで、そこでの学びを子どもたちに伝えているんだ。」
こんな風になりたいと思ったことはないだろうか。
こんな先生、うらやましい、現実は無理だと諦めていないだろうか。
そしてどの学校にも一人や二人はいる理想の先生。
忙しそうには見えないのに、なぜか
仕事をひょうひょうとこなし、進んでどんな仕事でも受ける先生。
その先生たちは、ただ単に『仕事ができる人』ということではなく、
必ず時間の管理(=タイムマネジメント)ができているのです。
時間の管理ができると…
そのように時間の管理が出来るようになれば、どんないいことが待っているのだろうか?
例えば、その空いた時間で自分の
大切な人と好きなことをして過ごすことが出来る。
例えば、忙しそうにみえないので
『仕事ができる人』と思われる。
例えば、家に
仕事を持ち帰らずに済む。
四六時中、仕事のこと、学校の子どものことを考えていたのが、
家に帰れば家族のことや恋人のことだけを考えて過ごすことが出来るようになる。
まさに理想な姿でないのだろうか。
よく考えてみてほしい。
仕事は大事だ。
お金がないと、生きていけないし、家族を養っていくことができない。
しかし、あなたの
人生をその『忙しさ』につぶされていていいのだろうか。
仕事が自分の人生を犠牲にしているその状態で、
はたして幸せだといえるのだろうか。
あなたも時間を管理し、有効利用する方法を知れば、その「忙しさ」から解放されることは目に見えている。
その方法を知り、本当の幸せを手に入れてみてはどうだろうか。
ぜひ時間の管理(=タイムマネジメント)が出来る人を目指してみてはどうだろうか。
1.今の自分を見直す
まずは今の自分、
現状把握をしてみてほしい。
紙に書き出してみると、普段、時間をどうやって使っているのかが明確に見えてくる。
書き出してみると、普段どんな風に時間を使っているのか、意識することができる。
すると、意外と無駄な時間が見えてくる。
例えば、ダラダラとテレビをみていたり、目的もなく、ネットサーフィンをしていて気づいたら1時間だっていたなんてことは現代の人には多いのではないのだろうか。
隙間時間を見つける。
そしてその時間を有効に使う。
これから教育改革が行われ、さらに子どもも環境が加速していく時代である。
そこで「忙しい!」となげくのか、その変化すら楽しむ自分であるのか。
それを決めるのは、あなたなのだ。
2.いつ、何をするのか。
それでは、現状を知った後はどうすればいいのだろうか。
具体的にどう時間を使えばよいのかを示していこうと思う。
時間を決める
まずは時間を決めてみよう。
例を示すと、
a.子どもの宿題をチェックする時間
これに時間をとられては、もったいない。
宿題に関しては、また今度述べるが、子どもたちが提出した宿題は、すぐその場で返すのがベストであると思う。
〈確認のみが必要な場合の宿題。(音読、答え付きのプリントやドリル)〉
やってきたかどうかのチェックが必要になる。
やり方として、
全員がそろうまで、宿題は各自持っておく。
↓
宿題を机の上に出させて、そのページを開かせる。
↓
席のとなり同士でチェックし、隣の人が出来ていたら手をあげる。
これで、やってきたかどうかの確認はすぐできる。
でも、子どもたち同士のチェックでは不安であれば、週に一度、提出日を設けて確認する。
〈プリント等(丸つけが必要なもの、ドリルも含む)の宿題〉
プリント、ドリルを机の上に出させる
↓
赤鉛筆を持たせる
↓
先生が答えを言っていき、各自で丸つけ。(またはとなり同士で丸つけ)
↓
点数を言わせていく。または、「一問正解だった人?」というように挙手させていく。またはやったかどうかだけ挙手。
先生が点数を把握しておきたい場合は、上記のように点数を言わせていくか、言わせることに抵抗があれば回収してもよいと思う。
またその点数を記入するのに時間をとられるが、その時間も確保していく。
しかし、子どもたち自身の丸つけは心配だという方もいるだろう。
だが、これはあくまでも宿題なのだ。
むしろ、自分で丸つけをした方がどこで間違えたのかの確認ができる。
しかし、子どもが本当に宿題をやってきたのかどうかが見えない、という先生もいると思う。
そんな時は、たまにいきなり回収したり、先生が丸つけをすると、子どもたちが宿題をやってこないという事はなくなっていく。
b.採点の時間(テスト・小テスト)
小テストであれば、前述の宿題のように自分たちで丸つけをその場でやらせても問題はないと思う。
しかし、どこでつまづいたのか、子どもたちの現状を知るために行っていると思うので、先ほどのように確認は必要になる。
丸つけ後に提出させたり、小テストをもっと小分けにして、「今日は 1⃣だけやります」というようにすると、子どもたちの学力が身についたのかどうかの確認もできる。
テストは別だ。
しかし、特に学期末などテストの採点に追われ、放課後は常にテストの丸つけと点数の記入に時間を取られるという先生も多いのではないだろうか。
1つの時間短縮のやり方がある。
それは、子どもがテストが終わったら、すぐその場で丸つけをするというものだ。
「え?!」と思われる人もいるだろう。
でもこれが一番、時間を短縮でき、何よりも子どもたちにとっても最適だと思われる。
ではどうするのか。
テストが終わった子から提出させていく。
ただし約束として、一度、席を立ったら直すために席に戻ることはできない。
たとえ名前を書き忘れていようが、提出する為に教壇へ歩いていく最中に思い出したとしても、テストを出すまでは席に戻ってはいけない。
名前の書き忘れは、容赦なく0点にしていく。
途中で他の子の回答を見て、直すことを防ぐためだ。
そして先生は丸を付ける。
テストを提出した子は、すみやかに席に戻る。
後は自習。または終わっていない課題に取り組むなど、各自自由に過ごすように指示をする。
ただし、静かにするというのが必須条件だ。
本読みと決めてもよいと思う。
丸つけをしながら、点数を記入していく。
そしてできれば、その時間内に返却していく。
子どもにとっては、一日置いて返されるよりも、その場で間違いが分かり、訂正した方がよっぽど身に付く。
慣れるまでは、この採点方法は時間がかかるかもしれない。
それでも、子どもたちの為にとっても最適な方法だと思う。
実際に子どもたちから
「すぐにテストが返ってくるから、間違いが分かって、直せていい。」
と言われていた方法だ。
c.日記のコメント
日記の宿題を出されている先生もいるかと思う。
子どもとたちとの関係を良好にするにも、よい宿題だ。
しかし、このコメントを書くという仕事。
とても時間がかかる。
しかも、コメントがなかったり、「え?こんなに一生懸命書いたのにこれだけのコメント?」なんて子どもが思うと、急にやる気をなくし、日に日に分量が減っていき、内容が薄くなっていく日記。
そして先生自身もやる気がなくなり、次第に消滅していく日記の宿題。
こうなる前に、コメントを書く時間を確保し、かつ、自分の時間をとられないようにしていくべきである。
これはあくまでも私の例である。
宿題は、朝出してもらう。
全員と言いたいところだが、学級の人数が30人を超えると正直きつくなる。
時間がとられてしまうからだ。
だから、月曜は1班(ひとグループ)、火曜は2班(次のグループ)…というように出す曜日を決める。
週に一人につき、2~3回みれると理想だ。
でも、もちろん、宿題としては毎日書かないと意味がないので、毎日の提出は必須。
ご自身で可能なら、全員に毎日コメントを入れてあげてよいと思う。
そして、コメントを書く時間だが、私は給食をさっさと食べて、コメントの時間にあてていた。
本当はもちろん、子どもと一緒にゆっくり食べたいのだが、その分、休み時間に思う存分子どもたちと遊んでいたので、その給食を食べる時間は仕事の時間にしていた。
早食いは体にはよくないが、そこで15分ほどとれるので、コメントを書く習慣がつき、また時間内に終わるまでにスピードもついてくるはずだ。
d.教室環境
教室環境が悪化すると、学級崩壊を引き起こす。
汚い教室の子どもたちは、小さなことを気にしなくなってしまい、気遣いが出来なくなる。
すると、優しさも子どもたちから少しずつ消えていき、笑顔のないクラスが待っている。
そうなる間に、教室環境には気を遣った方がよい。
少しのほころびは、徐々に大きくなっていくからだ。
でも、先生が放課後に掃除をする必要はないと思う。
子どもたちに、ごみが落ちていたら拾うという習慣をつけておくことは大事なことだ。
先生が率先してごみを拾い、教室を綺麗にし、子ども手本になってほしい。
「今、すぐ」拾う。
「今、すぐ」汚れを落とす。
それにより、無駄な時間を掃除にとられなくて済む。
そして掃除の時間は、掃除の手本を見せる格好の時間である。
率先してやっている子、上手に掃除用具を使っている子をほめていってしほしい。
e.通知表のコメント
学期末の大仕事。
それは通知表のコメント記入ではないのだろうか?
普段の子どもの評価は、子どもがいる間にできるのだ。
しかし、この通知表への記述欄へのコメントが大変な仕事の一つともいえよう。
そのために時間を取っている学校もある。
短縮日課になり、コメントをひたすら考え、書く。
でも、その時期にそんな必死にやらなくても、そんなに時間を取られなくても書く方法があるのだ。
それは、普段から準備しておけば、学期末に記入するときに体裁を整えてまとめるだけで済むようになる。
それこそ、時間がない!
なんて思ったそこのあなた。
いやいや、まとめて思い出すのに苦労して書き出すよりはよっぽど楽に、しかも簡単に進めることができる。
先生の机の中に専用の付箋、または小さなメモ帳を用意しておく。
そして、良いことをした子の記録をメモしていく。
子どもごとにそのメモを分けておく。
通知表のコメントを書くときに、そのメモをもとに書き進めていく。
といった流れだ。
こうすることで、具体的に子どもたち一人ひとりの良いところを記録しておくことが出来るのだ。
3.あなたの時間に組みこんでいく
ぜひ、自分の時間を見直して、
時間の管理=タイムマネジメントをしてみてはどうだろうか。
そんな時間はない!という前に、5分でもいい。
ご自身の時間と向き合って、「無駄な時間」をなくし、「自由な時間」を手に入れてみよう。
きっとそれが、あなたにとっても、学校の子ども達にとっても、ご家族にとっても、より人間らしく、幸せに生きる一歩になることだろう。
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。