丁寧に生きることで、子ども達に与える影響
「丁寧さ」に焦点を当てて、自分の丁寧さが子ども達に与える影響について考えていきます。
私自身、教員時代にそこに重きを置くことが難しかったのです。
どちらかというと、「余裕がなかった」といった方が正解かもしれません。
余裕がないから、丁寧さを取り入れることすらできず、でも、その中で信頼関係を子ども達と結んでいきたいというもどかしさの中で日々過ごしていました。
少し耳が痛いかもしれませんが、自分自身を軽視して生きている時、同じように自分も軽視されてしまうのです。
つまり、自分への扱い方が、鏡としてそのまま、他人からの扱いとして表れてしまいます。
これは自分自身が経験として、実感していることです。
そしてそんな自分のことを軽視し、他人からも軽視されている状態で信頼関係が気築けるかといった…それは無理なのは容易に想像がつくのではないかと思います。
だからこそ、毎日のように忙しいからこそ、自分に丁寧さを加えてあげてほしいのです。
せめて、子どもたちと給食を食べる時だけでも、味わって、丁寧に身体の中にあなたの栄養となるものを取り入れてください。
あなたは何のために教員になったのでしょうか?
子ども達のため。
日本の学校教育をよくしたい。
子ども達がもっと生き生きと生きる世の中にしたい。
子どもが好きだから。
理由は様々です。
そしてその土台として、自分という存在がないがしろにされているようでは、自分が達成したいと思っていることは叶うことはありません。
なぜなら、自分をおろそかにしているからです。
土台がおろそかになってしまえば、その上のものをいくら頑張っても、いずれ倒れてしまいます。
あなたという土台を、より強固に、より柔軟に、より大切にしてほしいのです。
丁寧に味わって食べる。
教員はこれすら難しいですよね。
私も教員時代は、5分で給食全てを口に運び、子ども達が食べ終わるまでの残り時間で、採点や丸つけやコメントなど、できることをしていました。
でも、それを見ている子どもたちは、「先生頑張ってるなぁ。」とは思っても、そうなりたいとは思わないですよね。
今、大人になりたくないという子どもたちを作ってしまっているのは、私たち一人ひとりの意識の向け方も大いに関係していると思っています。
自分を大切にする。
自分を丁寧に扱う。
そんな子ども達に育ってほしいのであれば、まずは自分が実践して、その姿を見せていくことは大事なことです。
それは、時間の無駄ではなく、あなた自身の人生を変える、大きな一歩になっていきます。
丁寧にあいさつする。
丁寧に食べる。
丁寧に話をする。
そんな風に、丁寧さを取り入れて、自分を大切にできる教員が日本中に増えた時、大きく学校という場が変化してくるはずです。
さらに、丁寧さが身につけられると、自然とコミュニケーションも丁寧になってきます。
すると、子ども達との対話にも変化が生じるのです。
受け取り側である子ども達が、丁寧さ以外何も変えていないのに、笑顔が増えたり、反抗していた子が急に話を聞くようになってくれるようになったりと、変化が見えたのです。
つまり、丁寧さを意識するだけで、直接かかわっている子ども達の言葉の発達や、対人関係の形成にプラスの影響を及ぼしていたのです。
丁寧さを加えると、「先生、なんかいい感じ!」と言われたり、「大好き!」と言われることが増えたりするといったことがありました。
それは、自然と安心感や信頼度が増したのかもしれません。
些細な事ですが、この「丁寧さ」。
その効果は経験上、大きいといえます。
何か一つでも、生活の中に丁寧さを取り入れてみてはいかがでしょうか。
■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。