『7つの習慣』『リーダー・イン・ミー』に学ぶ~「フランクリン・コヴィー・エデュケーション」高橋 広光 氏より

『7つの習慣』『リーダー・イン・ミー』に学ぶ~「フランクリン・コヴィー・エデュケーション」高橋 広光 氏より
私は、高校まで青森県の田舎の町で、のほほんと過ごしていました。
東京都内の大学に通うことになり、様々な人との出会いの中で刺激を受けることの面白さを感じ、人に会うために色々な場所に出向く機会が多いという単純な理由から、やがて就職する時には「営業職」を希望し、前職を含めて20年以上全国各地を駆けずり回ってきました。
因みに前職は学校関係を営業先とする民間企業で、進学や就職といった高校生の進路指導にかかわっていました。

教育の目標はエリートを育てることか


学生時代から建築家の安藤忠雄に憧れていた私は(私は文系人間で、建築は専門ではありませんが)、彼の講演会で「世界は3割の人間が作っている、3割がしっかりしていれば大丈夫」という発言を聞きました。
建築物も社会も制度や構造などしっかりした設計のできる人、技術を持っている社会のトップ層3割の人の役割が大きいとの、学生に対する叱咤激励の趣旨だと理解し、自分は社会の3割の側に入れるだろうかと心配していた時期もありました。

しかし、ある高等学校の校長が書いた『ぼうず通信』という校長だより(校内の教員向け)を目にする機会があり、いわゆる「底辺校」と呼ばれる教育の現場で日々「現実」と向き合って格闘している教職員の様子を知り、実は7割の側こそ社会にとって大事ではないか、と考えさせられました。
マスコミで取り上げられる教育ネタは、どちらかというと学力上位層を対象に語られている内容が多いように思います。
そしてほぼ日の光を当てられない影の現実。もちろんどちらも実際に起こっていることではあります。

一人の存在の価値、子どもも、そして教師も


低い日本の青少年の自尊感情、9月1日になると聞こえて来る青少年が自ら命を絶つニュース、学級運営の難しさから休職に至る先生の話、などなど。
中学、高校と学校からはみ出してしまった我が子のことも重なり、もう少し学校現場への理解と協力が必要だと感じていた頃、縁あって現在の仕事と「リーダー・イン・ミー」に出会いました。
「一部の人だけではなく、全ての人がリーダーになれる」「才能は特別の人にだけ与えられたものではなく、全ての人に独自の才能が備わっている」という前提(パラダイム)で子どもたちと接する事から始まるこのプログラムは、現代とこれからの教育に絶対的に必要なものと確信しました。
またベースとなっている『7つの習慣』は子どもだけでなく管理職を含めた教職員にとっても、様々な課題を解決に導く有効なツールであり「原則」です。

学生時代に一度友人から『7つの習慣』原文(英語)の読書会に誘われたことがありますが、当時は英語力の無さから参加を断りました。
でも、少しでも早く、学生時代から、できれば子どものうちからこれを学んでいたら人生違ったかもしれないと思いつつ、今からでもまだやれる、と私もまた日々学びながら生活をしている者の一人です。

”Better late than never”

 

 <Profile>
フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社  
エデュケーションチーム   
高橋広光  氏
 
1967年青森県生まれ。
大学卒業後は高等学校や大学など、教育機関を主な対象とした企画営業の仕事を20数年。
高校生の進路指導の現場にも立ち会い、教職員の抱える様々な課題を外部から垣間見てきた。
2018年より現職。