『やらないこと』を決めることは必要なのか?

『やらないこと』を決めることは必要なのか?

『やらないこと』を決めることで見えてくる、自分の時間の使い方。


1.手順の説明


以下において、「GRIT~やり抜く力」の「バフェットがパイロットに伝授した『目標達成法』」の要約を行い、それについて批評します。

まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。

主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本節のまとめ


・ウォーレンバフェット(億万長者)がお抱えのパイロットに伝授した『優先順位を決めるための3段階方式』※がある。

・次々と浮かぶ目標の大半は、重要度が中位のもの。

・この3段階方式のポイントは、「時間とエネルギーは限られている」という事実をしっかりと認識すること。

・成功するには、「やるべきこと」と「やらないこと」を決める必要がある。

・優先順位を決めるだけではうまく行かない場合もある。全く違う最重要の目標がいくつも存在すると、時間もエネルギーも分散され、消耗してしまうから、たった一つの「コンパス」が必要。
3段階方式に加え、「4.『これからの目標は、共通の目的にどれくらい貢献するか』と考える。」を加え、目標の優先順位を決める。

3.疑問に思ったこと


「『やるべきこと』を絞り込むとともに、『やらないこと』を決める必要がある。」
この文を重要ポイントし、下記に疑問を示します。

「普通は、『やらないこと』を決めたりはしない。なぜならその必要を感じないからだ。でも、あえて『やらないこと』を決めることにどんな意味があるのだろうか。」

4.学びをどう生かすか


『やるべきこと』を決めるのは、当たり前なことだと思います。
わざわざ書き出すことはしないかもしれませんが、『すべきこと』は自分の中に優先的にあることだから、早く手をつけようとします。

しかし『やらないこと』を決める、というのは、あえて書き出したり、考えないと出てこないことです。

これを決めるという必要はあるのでしょうか。

アップル社のスティーブ・ジョブスが、グーグルの創業者のラリー・ペイジに
『やらないことをしない。それが経営だ。』と述べています。
また、
『何をしないのか決めるのは、何をするのか決めるのと同じくらい大事だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ。』ということを話しています。

また、任天堂も多角的なビジネスが可能であるのに、『ゲームや遊びビジネス以外はやらない』と決めているといいます。

著名人がいうならそうのなのかもしれないと思いますが、ではなぜ『やらないこと』を決めるといいのでしょうか。

・効率化
・時間の短縮
・集中できる
・不必要な無駄を省ける
等の理由が挙げられます。

まずは生活の中、仕事、家庭のことなど、リストアップしてみて、何が自分には『やるべきこと』なのかを明確にすることが優先です。
その後、一日のタイムスケジュールを書き出し、自分がいつ何をしているのかを書き出していくと、意外と無駄なことが見えてきます。
その中で自分が『やらないこと』として決めていけばいいのです。

それは例えば、直したい習慣かもしれません。
・ネットサーフィンをしてだらだらを時間を過ごしている。→ネットを見る時間を決める。
・ついお腹がすいていないのに間食してしまう。→間食をやめる。時間を決める。量を決める。
など。

仕事の内容でも、これには時間をかける必要がないと思えば、潔くきってしまえばいいのです。
提出すべきもので、でも時間をかけたくないのなら、出されたその場で処理してしまえば、わざわざ『やるべきこと』のリストに入れる必要もありません。

つまり、自分の今の生活や仕事内容などから、どの程度の時間がかかるのか、どれくらい今の自分なら労力をかけられるのか、その現在地が明確でないということも関係しています。

時間は必要ですが、一度普段の生活を見直し、時間軸でみながら『やるべきこと』と『やらないこと』を書き出してみると、自分には『やらないこと』を決めることが必要なのかそれともわざわざ決める時間を取る必要がないのかが見えてきます。

そしてまた、自分の時間の使い方を見直すことで、自分のクセも見えてきます。
習慣化されたことが、無意識の行動をしていることもあります。そしてそんな自分にハッとすることも。

いかに効率よく、集中し、不必要なむだを省き、楽しく生活・仕事ができるのか。
それを考えるきっかけにはなるのだと思います。

5.まとめ


私も一時期『やらないこと』のリストを書いていました。
というよりも、自分にとって有効に時間を使いたかったので、無駄な時間を明確にしたかったのです。

これを一度やることで、自分を見直すきっかけになりました。
そうすると、「あ、この時間はもったいないな。切り替えて違うことをしよう。」と効率よく動けるようなりました。

でも私の場合、たまに時間の見直しをして『やらないこと』を明確にすれば、その後意識がいくので、つねに『やらないこと』を決める必要は感じません。
たぶん、それぞれに合った方法があるので、試してみてください。

【参照】


※三段階方式
1.仕事の目標を25個、紙に書き出す。
2.自分にとって最も重要な5つの目標にマルをつける。(5個以内)
3.マルをつけなかった20個の目標を目に焼き付け、今後絶対にそれらの目標に関わらない。

■ 執筆者情報
森田 恵 【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。