「諦めない」とは本質を見極めること!

【更新日】 2018年12月4日(火) 学校の働き方改革と教師の学び方
「諦めない」とは本質を見極めること!

「本質」を見極めれば、何でも出来る?!


1.手順の説明


以下において、「GRIT~やり抜く力」の「“肉体的、精神的に最も過酷”な環境」の要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。

主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本節のまとめ


・ウエストポイント(米国陸軍士官学校)への入学を許可されるのは、限られた人のみ。しかし5人に1人は、卒業を待たずに中退。しかも入学直後7週間の厳しい基礎訓練で辞めてしまう。

・とにかくありとあらゆる面で、これでもかというほどの自分たちの手に負えない試練が与えられ、精神的にも肉体的にも、ギリギリの状態に追い込まれ、弱点がさらけ出される。

・困難に対処する力は才能とはほとんど関係ない。それよりも重要なのは、「絶対にあきらめない」という態度。

3.疑問に思ったこと


「困難に対処する力は才能とはほとんど関係ないということだった。」
「才能がなくてやめたわけではない。それよりも重要なのは、マシューズの言葉を借りれば、「絶対にあきらめない」という態度だった。」

これらの文を重要ポイントとしてピックアップしました。
そして下記に疑問を示します。
「諦めないという態度は心の問題なので、見ることも、はかることも出来ません。
ではどのように、その“諦めない”心を作り出せばよいのでしょうか。」

4.学びをどう生かすか


「諦めないを諦めるな!」
(松岡修造 氏)

とはいっても…です。
誰しも、「諦めたくない」と思って、必死に頑張っています。
でも最後の最後で踏ん張りがきかず、達成できる人とそうでない人がいます。
その差はいったい何でしょうか。
同じ「諦めたくない」という思いでも想い入れの強さが違うということなのでしょうか。

もしどんなことにも「諦めない」でいられるとしたら…それは誰しも願うことなのではないでしょうか。
なぜなら、もし諦めない自分であれば、「どんなことに挑戦しても、必ず道は開けていくことが約束されている」そう思うからです。

ではどのようにして「諦めない」態度を身につけることが出来るのでしょうか。

「諦」の語源は元々、「つまびらかにする」という意味があります。※
これは、明らかにするという意味です。

つまり「諦める」とは「明らめる」。

また仏教では元々、「本質を見極める」という意味で使われていました。
本文の例でいえば、苦しい訓練の本質を見極める…といった意味です。
それがだんだんと迷いを断ち切る=断念という意味で使われるようになったそうです。

著者は、才能ではなく「絶対にあきらめない」という態度があるかどうかが、辞めるが辞めないかを決定すると言います。
つまり言葉の解釈から言うと、その訓練の本質を「見極める」ことができるかどうかが、辞めるか辞めないかの決定を下すということです。

そのものの「楽しさ」や「本質」を見極めるまでに至れば、自分の脳(例えば、「疲れたな~。」「もうやだな~。」「やめて漫画でも読んじゃおうかな。。。」など)の「諦めたくなる思い」と反して、無意識的にその活動を乗り越えることが出来るようになるということなのです。
その訓練の本当の目的や、その意図を見極めることが出来れば、才能に関係なく、継続していくことができるのです。

これは学校や子ども達と接する時に応用することが可能です。
どういうことかというと、
「なぜ今、これをやるのか」
「なぜ必要なのか」
など、今、目の前で起こることや課題についての目的や意図は子ども達には中々つかむことが出来ません。
それを教師や親が、その本質を伝えてあげたり、気づくようにしたりします。
そして本質を見極める力を身につけさせていきます。

そうすることで、自然と見極める力が身についていきます。
もちろん時間はかかります。
著者の「諦めない力」はどのようにつけていくのか、この方法とは違っているかもしれません。
しかし、「本質を見抜く」という視点はこれからの時代、より必須になってきます。

諦めそうになったら、また諦めそうになっている子を見つけたら、その「本質」を見極める方へと導いてみてはいかがでしょうか。

5.まとめ


普段の生活の中で、「本質」に意識を向けよう、見極めようとはなかなか思えません。
しかし、仏教ではもともと言われていたように、江戸時代くらいまでは日本人の中には、様々なことの本質に目を向けるように言われていたのではないでしょうか。

今の時代、これからの時代は、より本質を見抜く目が必要になってきます。
まずは自分から。
そして、より多くの子ども達が本質を見抜けるような目を養っていけるように、親や教師が関わっていくことは大事なことなのです。

【参照】


※「漢字んな話(朝日新聞)」より
<諦>よく見て本質を見極めて


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
子どもが好きで、彼らをより笑顔にしたいという思いを抱き、教員を目指す。しかし、挫折。あまりにも上手くいかないことばかりで退職を考えるも、奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われる日々を送るようになる。そんな小学校教員時代の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。現在は海外に移住し、子ども達に日本語を教え、日本の文化を伝える活動を行っている。また現地校で日本の教育との違いを学び、それを日本の教育に活かす方法や感じたことを日々発信している。