『ソース』
~目標を立てるな~の学びを生かす
1.手順の説明
以下において、「ソース 第15章 目標を立てるな」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。
2.本節のまとめ
・目標を立てると精神的な圧力を感じ、努力していないと罪悪感を感じる。常に目標を追いかけていたり、敗北感に悩まされたりする。その弊害は、自然の感情や行為を抑えつけ、精神の輝きを奪う。「おおらかさ」「創造力」という人生に大きな喜びをもたらす源泉が失われる。
・目標を設定せず目指す方向を決めておくと、長期的には多くを成し遂げられ、自由に気の向くままに創造的な行為に走ることが可能。上限も下限もなく、目標を達成できなかった敗北感を味わうこともなければ、プレッシャーもない。予期しなかった素晴らしい体験に巡り合うチャンスが生まれる。
・まったく新しいアプローチ(目標を取り下げ、プレッシャーをなくす一方、楽しみながら創造力を養う)ことで、想像以上の結果を生むことができる。
3.疑問に思ったこと
「目標達成のプレッシャーをなくす一方、楽しみながら創造力を養うことで、想像以上の結果を生むことができる」
「そこから生まれるプレッシャーの弊害は、自然の感情や行為を抑えつけて、その人から精神の輝きを奪うことです。」
これらの文を重要ポイントとし、ピックアップします。
これをふまえ、下記に疑問に思ったことを示します。
「著者の言う、方向だけ決めて進むということは、目標を立てるということと何が違うのだろうか。
実際に目標を立てず、方向を決めるとはどのようにしていけばよいのだろうか。」
4.学びをどう生かすか
目標は決めず、方向だけ決めて進んでいくことで、プレッシャーも感じず楽しみながら、自然な状態で取り組めるのなら、私は喜んで方向だけ決めて進んでいきたいと思います。
ではそれはどのようにしていけばよいのでしょうか。
今まで目標を立てることは誰しも当たり前にやってきたはずです。
それが染みついているため、方向だけと言われてもどのようにしていけばいいのか分からないのが現状なのです。
「目標は、私たちが生まれながらに持つ知恵やモチベーションを押さえつける恐れもあります。」
「目標そのものは悪くありません。問題は、私たちが目標設定を、自分の幸せや心の健康の条件にしてしまうことです。」
(ダイヤモンドオンラインより抜粋)
アメリカ第16代大踏力のリンカーンも、大統領になるという目標はあくまでも目安であり、その方向は「民衆のため」なのです。
自分のやってきた成果を改善していった結果、大統領として活躍したということです。
つまり目標設定が目的になることが問題なのです。
目標設定、目標自体が目的になってしまうと、次々に目標が現れていきます。
次々に目標に追われるから、「自然な感情や行為を抑えつけ」、自分の中の気づきに気づけなくなってしまうのです。
目標はあくまでも通過点の一つとして捉えていく必要があります。
このことをふまえた上で、目標を立てず、方向だけを決めて進めていけばいいのだと著者は述べているのではないでしょうか。
よく学校の体育の時、
『ゴールを見ないで、そのまま走り抜けよう。』といった指導をすることがあると思います。
目標をその「ゴール」にしてしまうと、減速してタイムが落ちます。
しかし、その方向性は決めて、その「ゴール」を通過点とすれば、より良い記録がでるのです。
私自身も目標を仮にたて、目標が達成できた時、その瞬間は嬉しいのですが、残念ながらそれだと身にはつかず、すぐに元に戻ってしまいます。
ダイエットなどが良い例だと思います。
目標体重になって、安心したらリバウンド。
という経験がある方もいると思います。
つまり、方向性(なりたい姿)の通過点として目標を設定しておけばいいのです。
子ども達にも、学期のはじめに目標を立てさせる方が多いと思います。
その時に目標について、ただ書かせて設定させるだけでなく、目標と目的の違いをかみ砕いて話したり、上記の例を伝えたりすると今までとは違った設定になり、達成感が得られるのではないでしょうか。
そしてそれが子ども達の自信になります。
学校では基本的に、世間一般に言われていることしか教えません。
それは当たり前かもしれませんが。
しかし、彼らがこれから先の時代を生きていくのに必要だと教師や親が思うならば、学校の教科でなくてもどんどん伝えていく。
それはとても必要なことなのだと、私は思います。
5.まとめ
目標を立てないと不安という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは幼いころからの習慣によるものが染みついているからだという考えと、何か目指すべきものがないから不安になるという2つの考え方があります。
とはいっても、目標は便利です。
何かをするときに、そこが数値がされていると目指しやすく、モチベーションをあげやすいですよね。
ならば、そのずっと先に目指すものを置いておけばいいのです。
そうすれば仮にその目標が達成されなくても、罪悪感も生まれなければ、プレッシャーもありません。
それを変更し、修正するだけでいいのです。
このように目標に対する意識を変えていくことを著者は提案しているのです。
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。