いつまで人のせいにするの?自分を責めすぎていませんか?

【更新日】 2018年9月21日(金) コミュニケション・外国語運用能
いつまで人のせいにするの?自分を責めすぎていませんか?

『まんがで知る 教師の学び3』
~まちづくりと共同体の再構築~の学びを生かす


1. 手順の説明


以下において、「まんがで知る 教師の学び 第8章 まちづくりと共同体の再構築~他責社会から感謝社会へ」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本章のまとめ


・教師の仕事は良き学び手(苦労さえも学ぶ材料にする)となること。そして教師になって幸せだったと言える、そんな人生を送ろう。

・消費者意識※が強いがこれからの日本は税収が少なくなり、まちづくりを行政に任せるのは難しい。今、日本のあちこちで共同体の再構築の動きが出てきていて、人と人とがつながることで問題の解決を導いている。

・他責社会※ではなく、全ての人々が「自分のできる範囲で」協力し、他人のがんばりに感謝し応援する「感謝社会」であれば、解決の方向に導かれていく

3.疑問に思うこと


「他責の論理で社会は本当によくなるのでしょうか」
この文を重要ポイントとしてピックアップします。

これをふまえ、疑問を示します。

「他責の論理をまき散らしても社会はうまくいかない。しかし、他責と自責をうまく使いこなしていかないと、自責で鬱になったり、全て悪いのは自分だと自分を責めてしまったりする人も出てきてしまうのではないか。
どのように自責と他責を使いこなしていけばいいのだろうか。」

4.学びをどう生かすか


他責思考について、東洋経済オンラインにこのような記事がありました。
“他責といっても「人のせいにはしない」ということ”
ここをきちんと押さえておくべきです。
“問題というボールをたらい回しにして投げあうようなもので、自責思考の強い誰かがそのボールを拾って苦しむことになりかねない”

これは教員の多くに当てはまっています。
問題を解決するために、いち教員が、または教頭が責任感を感じ、苦しむのはおかしな話です。
「人のせいにはしないというのは当然です。
しかし、その問題の全ての事柄が、自分1人の責任としてしまうのは、あまりにも苦しすぎるし、そこに問題の解決はありません。

“プロセスやモノなど仕組みのせいと考えていくことで前向きな他責思考になる”
とも書かれています。

その問題を一点からみるのではなく、様々な面、たとえばその過程や仕組みに目を向けて、改善点がないかを見つけていくなどして、責任を押し付けるのではなく、また自責に襲われることをしていくのではなく、問題を見ていくべきなのです。
なぜならそんなことをしても、一向に社会はよくならないし、現実は変わっていかないからです。

私も現役の教員の時、「全てあなたのせい」と言われ、またそれを受け止めてしまい、どんどんと落ち込んでいきました。
その状態では、解決の糸口を見つけることは難しいのです。
「人のせい」にはしてはいけません。しかし、全てを「自分のせい」と決めつけてしまうのもいけないのです。

また教育の問題は著者も述べているように学校だけが頑張っていても、問題は解決しません。
それをいかに地域に広げ、家庭でも取り組んでもらうようにすればいいのかを考えていく必要があります。
これはいち教師が「自分のできる範囲で」解決していけることではないのです。
もっと外部からも、例えばメディアを利用するなどして声をあげていかなくてはならないのです。

社会全体の大きな問題として、責任の押し付けではなく、国民一人ひとりが意識を持てるようにするにはどうすべきかを、今、きちんと考える時なのではないでしょうか。

5.まとめ


今、全ての大人たちが、向き合っていくべき問題も含まれていると思います。
他責という言葉。
おそらく、他責の理論を持っている人たちは、まさか自分がそのように人のせいにして生きているとは思ってもいないのではないでしょうか。
今一度、自分はどうなのか、無意識に「人のせい」にしてはいないのかを振り返ってみることは必要なのかもしれません。

【参照】


※他責
他人に責任を求めること。相手が間違っているのだから、正義である我々は責めてもよりのだという論理。

※他責社会
自分にとって間違っている相手を攻撃することで自己愛を満たしているようにも感じられる社会)

※消費者意識
税金を払っているのだから、地域のまちづくりは行政がやるという意識


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。