良いと思ったことは、どんどん広めていこう

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『まんがで知る 教師のまなび3』
~学校と社会の連携~の学びを生かす


1. 手順の説明


以下において、『まんがで知る 教師の学び3』の「第7章 学校と社会の連携~業務改善と5S~」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。

次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。

2.本章のまとめ


・子どもが育つには学校教育、社会教育、家庭教育が必要だが、ほとんどの問題を学校教育が請け負っている。事件が起こったり、社会が変化したりすると、さらに学校は多忙化。
多忙化すると、教師の能力開発がストップし、カリキュラムは改善できずに形骸化、教育の質は低下、子どもたちが被害を受ける。

・企業や行政機関は組織の生産性をあげるための業務改善(5Sを基本)は組織的に行っているが、学校では教職員個人の裁量に任せられ、優れた方法を共有するという意識は不足している。

・「古いもの」を計画的に廃棄し、業務改善もカリキュラム・マネジメントに位置付けてよりよい仕事ができるようにしていくことで、教育の効果もあがる。

・オーセッティングな学び※をすると、子どもたちは自分が持っている資質・能力をフルに生かせる。

3.疑問に思うこと


「学校においては、それぞれの業務の進め方は、教職員個人の裁量に任せられていることが多く、優れた方法を共有するという意識は不足している」
この文を重要ポイントとして、ピックアップしました。

これをふまえ、疑問を示します。
「“優れた方法を共有するという意識は不足”とあるが、まさにその通りだと思う。しかしそのために、いち教師個人には何が出来るだろうか。意識を持てば、優れた情報は共有されていくのだろうか。」

4.学びをどう生かすか


もし自分が管理職であれば、そのような場を作りやすいと言えます。
しかし、多くの人はいち個人の教師です。
自分だけが「優れた方法」を共有した方がいいと思っていても、そこから波及させていくのはなかなか難しいのではないでしょうか。
それではどうしたらよいのでしょうか。

まずは自分が出来ることを考えていけばいいのです。
学校という組織を動かせるならばそれが理想です。しかし自分1人の力では動けないこともあります。
私が教員だった時、著者が述べているように5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を意識していきました。
すると、それにつられていくように、周りの環境も変化していったのです。
「忙しい」となげいているところから、何か自分でできることを行動に移してみると少しずつ変化していきます。

林修氏はこんなことを言っています。
「できることは、一つでいい。後はみんなできなくていい。」と。
まず自分が出来ることを見つけ、それをただひたすらに実行していけばいいのです。
出来ないことをやろうとするから辛くなってしまうのだと思います。

また、「優れた方法」もこの5Sのように自分にとっては当たり前だと思っていても、知らない人や出来ていない人にとっては「優れた方法」であり、ありがたい情報となることがあります。
それにはやはり対話が必須です。
そのような話し合いの場がない時は、自ら進んで同僚の方とコミュニケーションを取っていくことが効果的です。
すると、その「優れた方法」がどんどん広がっていきます。

私も当たり前だと思っていたことが、教員の時にとても役に立ったと喜んでもらえたことがありました。逆ももちろんあります。

情報に関して、ビジネスの世界で情報を共有することは「ナレッジ共有」といい、それを生かすことを「ナレッジマネジメント」といいます。
日本経済新聞の記事によると、「コミュニケーションとは“ナレッジをシェアすること”」だと書かれています。
知識をチーム全体で共有することこそがコミュニケーションであり、単なる情報の伝達、会話のための会話では「優れた方法」の共有にはならないのです。

5.まとめ


教員には各学級があるので、個々で行動し、個々で業務を達成しがちです。
しかしこれからの時代は家庭や地域も含め、皆で協力し合いながら子どもたちの教育をしていく必要があります。

それにはお互いの歩み寄りが不可欠なのです。
この章をもし教員の時に読んでいたら、私なら「優れた方法」を得るために、また自分の中の強みを生かすために、片っ端から同僚の先生方を回って話をしに行っていたと思います。

それだけ一人で全てを解決するには限界があり、人と協力し合うことが何よりもの解決の糸口になるからです。
現実を改善するにはよい方法なのです。
これが日本中の学校に波及し、それぞれが強みを見出し、「優れた方法」を開示し、それを生かせる場ができる日は遠くないと願っています。

【参照】


※オーセンティング
学習課題を現実社会の具体的な問題を含んだものにしていくという意味。
「本物」とか「真正の」という意味。
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性等」という資質・能力が様々な問題解決につながるということを子どもたちが実感できるようにしていく学び。

※ピーター・ドラッガーの言葉
「古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である」
「アイデアが不足している組織はない 創造力が問題なのではない」
「みなが毎日の仕事に忙しい」


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。