『まんがで知る 教師の学び』
~レジリエンスと学習する組織”学び続ける教師とは”~の学びを生かす
1.手順の説明
以下において、『まんがで知る 教師の学び』の「第8章 レジリエンスと学習する組織~学び続ける教師とは」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に、重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて、自分の視点からコメントし、批評します。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめます。
2. 本章のまとめ
・社会の変化に応じてイノベーションが求められている、知識基盤社会はストレスを感じやすい社会。その中でレジリエンス※を高めるには自己効力感※、同僚の協働的な支援、教師が立ち向かう姿を見せることが必要。
3.疑問に思うこと
重要ポイントとして、次の文をピックアップします。
「同僚の協働的な支援がレジリエンスを高める」
「レジリエンスを高めるためには、自分に起こりうる様々な「つらい経験」を、自らを成長させるための試練なのだろ考える自己効力感に関する強い信念が必要なのです。」
これをふまえて、問題提起を下記に示します。
「”レジリエンスを高める ”には自己効力感を高めること、同僚の支援が必要だと主人公は述べている。
ではどのように自己効力感を高めていけばいいのだろうか。
また、先に基盤となる人間関係を築く必要があるのではないだろうか。」
4.学びをどう生かすか
レジリエンスについて下記のようなことが書かれています。
レジリエンスとは、逆境力。思考の柔軟性が必要。厳しい状況でもネガティブな面からだけではなく、ポジティブな面を見出すことが出来る人が、逆境を乗り越えることが出来る。
折れそうになった時は、自分の世界に籠ってしまう。すると周りからの支援を得られないのでますます力が弱ってくる。 NHK「クローズアップ現代」より
他にも、こんな記事があります。
いま、何か困難なことが起きたときに、みなでなんとかするという文化が失われている地域が増えている。一人ひとりの地域とのつながりが弱く、個人的に頼れる人がいないというケースも少なくない。
心をおれなくすることがレジリエンスの目的になってしまうと、完全に自己責任論のように取り扱われます。
全体と個の両方にアプローチが不可欠。 東洋経済新聞より
このように現代の、しかも日本人は人とのつながりが弱くなっており、頼れる人がいないというケースも多いといいます。
だからこそ、まずは一人で抱え込まないことが大切なのです。
いくら「同僚からの支援がレジリエンスを高める」といわれていても、その前提として現状の自分をわかってくれる人がいないのでは支援もしてもらえません。
同僚と相談し合えるような、助け合えるような人間関係を作っておくことが大前提にあります。
そのためには、まず自分が相手を気遣い、コミュニケーションを取っていく必要があります。
私も現状を相談することが出来ず、自分ひとりで解決しようとして全く上手くいかず、負の連鎖を作っていました
このレジリエンスのことをその時に知っていたら、状況はそれ以上悪化することはなかったのではないかと思います。
自分ひとりで解決するよりも、人と協力していった方が時間はかからず、「つらい経験」からは速く抜け出すことが出来ます。
記事にもあるように、心を折れなくするのではありません。
無理に「折れないように」してしまうと、自分を責め、状況はさらに悪化します。
折れた時にどうやって対応するのか、どう立ち直るのかが重要なのです。
逆境グラフ(人生の浮き沈みをグラフ化したもの)というものがあり、それをみると困難なことから立ち直る速さは、やはり「人」との関係が鍵になっていきっます。
いかに普段から人と接しているのか。
それを今一度見直すきっかけにしてほしいと思います。
5.まとめ
レジリエンスという言葉を知り、「心を強くすればいいんだ」と短絡的に解決しようとするのではなく、もっと根本に目を向けていく必要があります。
そしてレジリエンスに限らず、人とのコミュニケーションが何よりも大切になってくるという事が調べた中で分かってきました。
社会という場でしかも今の時代を一人で生きていくのは大変です。
人とつながることが、自分にとっても相手にとっても基盤となることを忘れずに、人を大切にしていく。
それがレジリエンスを高める一歩なのです。
【参照】
※レジリエンス
本書の中では、「困難を跳ね返すだけの力を身につけながら成長していく力」と説明されている。
「抵抗力」「復元力」「精神的回復力」などと訳されている。
21世紀を生きる子どもたちがつけないといけない力。
※自己効力感
自分の能力を信じること。自己肯定感とは自分の価値や存在を肯定的にみることに対し、自己効力感はやれば自分はできるという行動に直接結びつく力と言える。
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。