『まんがで知る 教師の学び』
~リーダーシップ~の学びを生かす
1.手順の説明
以下において、『まんがで知る 教師の学び2』の「第6章 リーダーシップ~アサーション※(自分も相手も大切にする自己表現)」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。
2. 本章のまとめ
・人々が多様性を発揮しながら協働して問題を解決するためにはリーダーシップ(特にサーバント・リーダー※)やチームワークが欠かせないものになる。
・職場環境をよくするためにも、お互いが自分や相手のことを大切にし、相手の話をさえぎったり否定しないで、耳を傾けることが大切。つまりアサーティブ※な自己表現ができるようにする。
3.疑問に思うこと
重要ポイントとして、下記の文をピックアップします。
「自分の志のために、仲間の願いを大切にし、そのために尽くしたいと思っています。これをサーバント・リーダーと言います」
「アサーション?」「自分も相手も大切にする自己表現の考え方と方法なんです。」
これをふまえ、問題提起をします。
「具体的にどうすれば、“アサーティブな自己表現”ができるようになり、信頼されるようになるのだろうか。」
4.学びをどう生かすか
著者も似たようなことを述べていますが、もし「信頼」されている状態であれば、サーバント・リーダー※になることはさほど難しくはありません。
そしてサーバント・リーダーになれば、リーダーシップが生まれて問題が解決していきます。
しかし「信頼」は簡単に手に入れられるものではありませんが、そこで必要なのがアサーティブな自己表現です。
「アサーティブな自己表現」は自分も相手も大切にするということです。
その上で、相手を思いやりながらも、きちんと自己表現をしていくことだと言われています。
著者も本の中でアサーティブについて述べていますが、ここではどのように具体的に意識していけばいいのかを紹介します。
必要な要素として、『誠実になる(自分にも相手にも)』、『信頼を伝えるために堂々と自身を持った態度で相手の目をみながら話す』、『相手と対等な姿勢で関わる』等が挙げられます。
では上記の要素を意識するために、具体的にはどうすればよいのでしょうか。
自分の気持ちを素直に伝えてみるという方法があります。
例えば、主語を自分に変えるだけでも違ってきます。
「あなたが悪い」ではなく、「私はすごく不愉快なんだ」と伝えてみる。
「どうしていつも話を聞かないんだ」ではなく、「話を聞いてくれると私は嬉しい」と伝えてみる。
子育ての経験がある方や子どもと関わる方はよく分かるのではないでしょうか。
主語を自分にするだけで、その関係性に大きな変化が生まれます。
そしてこのアサーティブな自己表現を心がけていくと、信頼が生まれてきます。
また、「嫌われる勇気」の著書、岸見一郎氏は、『信頼とは無条件のものです。「信じられない時にあえて信じる」のが信頼です。」と書かれています。
つまり、アサーティブな自己表現に加え、信頼してほしいならば、まずは自分が信頼すること。
それが大前提になります。
自分が信頼した上で、信頼されるにはどうすればいいのか。こんな記事がありました。
『Fast Company』という今、アメリカで注目されている雑誌の中で、相手の信頼を得るために必要な4つの基本要素を示しています。
精神分析医がこの要素を実践し、患者の信頼を得ているといいます。
<相手の信頼を得るために必要な要素>
➀信憑性を高める(真実味がある)
②弱みを見せる(人間味を出す)
③誠実である(真心をもって接する)
④公平である
これを基に、学校生活でどのように信頼を築いていけばよいのか、示していきます。
➀「信憑性を高める」には、真面目に目の前の子ども達、保護者、同僚と向き合っていく。
②「弱みを見せる」とは、人間として堂々と嘘をつかずに過ごす。間違ったときは相手が子供であっても素直に謝る、完璧に物事を進めようとせず、できないことは頼っていく。
③「誠実である」には、人や物事を大切に扱う、優しくする。
④「公平である」とは、誰に対しても態度を変えず、接していく。
このように信頼関係をお互いに作り、平行して「アサーティブな自己表現」をしていきます。そうすれば、サーバント・リーダーになることは難しいことではありません。
5.まとめ
教員をしていた時は、このように信頼関係をどうやって結べばいいのか、また「サーバント・リーダーシップ」ということも知りませんでした。
もしその時に知っていたら、即実践していたと思います。
なぜならば、始めるにはとても小さな心がけから出来るからです。
自身の「志」を実現するために、ついてきてくれる人がいるというのはとても心強く、考えるだけでも嬉しくなるものです。
ぜひ実践してみてください。
【参照】
※サーバント・リーダーシップ
心から信頼できれば、人は喜んでついていく。その人の言動のもとになる「志」を実現するためについていく人が出たときに「リーダーシップ現象が生まれた」という。
相手に尽くすタイプのリーダーを「サーバント・リーダー」と呼ぶ。
※アサーション
自分も相手も大切にする自己表現の考え方と方法。
臨床心理士の平木典子氏は自己表現の三つのタイプを示す。
➀非主張的自己実現
…自分の意見や気持ちを言わない。言っても相手に伝わりにくい自己表現。本人は心理的負荷を負い、メンタルヘルス被害に陥っていく。
②攻撃的自己表現
…自分の意見や気持ちを「はっきり言う」ことで自己主張するのだが、相手の気持ちは無視する自己表現。相手は傷つき、恐れて本人を敬遠したり、復讐心を覚えたりするかもしれない。丁寧で優しい言葉や態度でも、相手の気持ちを無視して自分の思い通りに操作しようとしたら、攻撃的自己表現になる。
③アサーティブな自己表現
…自分の気持ちも相手の気持ちも、大切にした自己表現。理解し合い、気持ちが通じれば、意見が合わなくなったとしても、互いに自分らしくいられる関係性を築くことが出来る。
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。