『まんがで知る 教師の学び3』
~熊本地震~教職員のメンタルヘルス~の学びを生かす
1. 手順の説明
以下において、『まんがで知る 教師の学び3』の「第3章 熊本地震~教職員のメンタルヘルス※~」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評していきます。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明し、最後に全体を要約して結論づけ、まとめていきます。
2.本章のまとめ
・教師が仕事にやりがいを感じるのは子ども達の成長を実感し、それにより自分の成長も実感でき、更に子供が成長して保護者も喜んでくれた時。「人の役に立っている」という実感が教師にとっての「栄養」。
・あまりにも忙しいと授業の準備が出来ず、授業も充実せず、当然子供たちの成長も思うように見られず、むしろ「申し訳ない」と感じてストレスがたまるようになる。そしてクレームが多ければ、「人の役に立っている」という感覚さえ奪われてしまう。「人の役に立っている」という「栄養」がなくなれば教師の精神は病んでいく。
・授業が充実できれば、残業しても教師はストレスと感じない。
・教師本来の仕事に誠実にありたいと考える教師ほど、自分の授業の不十分さを感じ、教師としての自信を失っていくのではないか。
3.問題提起
「授業が充実できれば、残業しても教師はストレスと感じない。」
「教師本来の仕事に誠実にありたいと考える教師ほど、自分の授業の不十分さを感じ、教師としての自信を失っていく。」
この文を重要ポイントとして、ピックアップしました。
これをふまえ、問題提起を示します。
「では忙しい教師は、どうやって授業準備のための時間を確保し、充実した授業を展開できるのか。何か手立てはないのだろうか。」
4.学びをどう生かすか
著者の「授業が充実できれば、残業しても教師はストレスを感じない」という言葉。
これはまさに教師の仕事の特性だといえるのではないでしょうか。
以前ベテラン教師が、「本当にしっくりきて、楽しくて、やり切った授業というのは今までの教員人生で3回だけ。」と言っていたことを思いだしました。
常に全力で授業をしていても、本当に充実を感じる授業を展開するのは容易ではないのです。(授業の達人と呼ばれる人であれば、可能だと思います。)
それほどまでに、教師にとって「授業」とは仕事というより、生きがいともいえるのでしょう。
そんな風に授業を充実させたい教師ですが、時間がないのです。
でも授業は充実させたい!
そうすると、どうしても教育技術に走ってしまいがちです。
時間を有効に使い、先人の知恵を借りて、授業をする。
そうすればある程度の結果が出るし、本書のいう「人の役に立っている」という「栄養」も吸収できるのです。
しかし、そればかりだとだんだんと授業の本質が見えなくなっていきます。
だから常に学び続ける必要があるのです。
そのためには、仲間の存在は必須です。お互いに頼り、意見を交換し合うことで、力だけでなく、心のケアもされていくのです。
でも時間はどんどん削られていくのが現状ですよね。
教師にとって、第一優先事項は全てなのです。
子ども達の成長であり、授業であり、保護者対応であり、その他のことも全てが大事。
そのために、どうすればいいのでしょうか。
まずは無駄なことを省いていく必要があります。
時間のかかりそうなことは協力して行っていくと効率化がはかれます。
このように時間短縮のために教師たちがやっていることがたくさんあります。
インターネットや仲間からそのような情報を集めるのも一つの手ではないでしょうか。
また、全ての授業を充実させるのは容易ではありません。もちろん理想ですが、自分の得意な教科に絞ったり、この単元は力を入れるなど、集中するところと、教育技術に頼るところなど分けて考えていくことも時に必要なことです。
5.まとめ
私も教員の時に、「人の役に立っている」という「栄養」が不足し、求職を考えたこともありました。
やることに追われ、でも何もできていない自分に失望感しかありませんでした。
授業が全てだと分かっていても、用務や保護者対応に追われ、放課後は授業のために時間を割くことがほとんどできない時期もありました。
そうすると、だんだんと病んでいきます。
ではそうならないために、どうすればいいのでしょうか。
やはり一人では問題を解決できません。できても時間がかかります。
同僚や仲間をどんどん頼ってみてください。
日本中の教師が、授業に集中し、「栄養」不足になることなく、充実した授業を成立させることが出来る日がきっと来ると思っています。
【参照】
※メンタルヘルス
教職員の病気休職者の割合は17年連続して増加、そしてその中でも精神疾患による休職者の割合が増加。
その要因として挙げられている業務量の増加の原因として、
「児童生徒と共に過ごす時間や教師としての権威といったものが教員を支えていたが、これらが低減する一方、授業等の教育活動以外の用務、特に負担感の大きい要因として保護者との関わり等が増えてきている。」と伝えている。
(メンタルヘルス対策検討会議 「最終まとめの報告」より 文部科学省)
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。