通知表をスムーズに書き、子どもからも親からも信頼される方法

通知表をスムーズに書き、子どもからも親からも信頼される方法

通知表のコメントをすぐに終わらせ、しかも信頼される方法


まだまだ先かと思いきや、あっという間に通知表を書く季節がやってきます。
その時期は、普段の授業に加え、成績処理に通知表のコメントの記入をするのにアタフタしてしまう方もいるはずです。

私は初任のころ、あまりにもコメントが書けず、時間がかかり、提出期限ぎりぎりになってしまうことも多くありました。
しかし、その後、ベテランの先生からアドバイスをいただき、この方法を実践していきました。
すると、あまりにもコメントを書くことがスムーズに進み、時間の余裕が生まれました。

今回はその通知表に時間をかけず、しかも保護者の方に感謝され、子どもたちも喜んでくれる「通知表の書き方」への取り組み方をお伝えします。

これはその時期だけのことではなく、通知表がやってくる前に、やっておくことです。
これを知っていておいて損はないと思います。

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1. まずは材料集め
2. 褒める要素をメモする
3. 途中でメモした子に偏りがないかをチェックする
4. このメモを書くことでのメリット
5. 最後に
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1.まずは情報集め


通知表で時間を取ってしまい、悩むところはコメント欄だと思います。
そのコメント欄に書く情報を事前に集めておきます。
そして、その集めておいた情報をもとに、通知表を書くときにまとめていきます。

ではどのようにするのでしょうか。
毎日、学校では様々なことが起きます。
1人1人見ていると、褒めてあげたい要素があふれるように出てきます。
まずはその「褒める要素」を見つける目を養う必要があります。

普段の授業や学級経営に加えて、またやることが増えると思うと、どっと疲れが出てきてしまう人がいるかもしれません。
でも、この「褒める要素」探しは、慣れればすぐに出来てますので、ぜひやってみてください。

2.褒める要素をメモする


これは私が教えてもらい、有効だった方法です。
例えば、今、図工の時間だとします。
率先して動いてくれているAくん。Bさん。
それを見つけたら、即座に褒めます。
それと同時に、用意しておいたメモ(ちぎれる小さなもの)に名前と具体的に褒め要素をメモします。

例えば、
「Aくん 図工のモービルを作る時間。友達の作品を褒めてる。ごみ袋をもって、細かいごみまで回収。」
「Bさん  友達と協力して作っている作品。友達の意見を聞き入れつつ、発言の苦手な子の意見もくんでる。自分で率先してやっているときもあれば、ちゃんとフォローしてる。」
など、簡易なもので十分です。

そのメモを、褒め要素用のファイルや、箱、袋などに入れておきます。

整理をしやすく見やすいのは、その日にまとめて張り付けてしまうと簡単です。
手間になるなら、やらない方がいいと思います。
(子どもの名前ごとにファイルを作っておき、そこに入れるとまとめる時に便利です。)

それを毎日、見つけたら書くことを繰り返します。
すると、具体的な褒め要素の場面を大量にストックしておくことが出来ます。

そのメモを、通知表を書く時期に見ながら書いていきます。
後はまとめるだけなので、スムーズに時間をかけずに仕事を終わらせることができます。

また、具体的な場面を褒められることは、子ども自身も、親もとても嬉しいものです。
その通知表を書く時期に、頭をひねらせて思いついたことを書いていくよりも、その時に教師自身が目につき、感動したことや、褒めたいこと、素晴らしいと思ったことなど、心が揺れたことを書いた方が、よりつたわるのではないでしょうか。

3.途中でメモした子に偏りがないかをチェックする


褒める子と、なかなか褒められていない子に差が出てくることがあります。
やはり目立つ子は目に入りやすいので、褒めることはどんどんでてくるかもしれません。
でも教師は全体的に褒めて、見ていかなくてはいけません。

途中で偏りをチェックするというのは、自分自身の振り返りにもなります。
「あの子ばかりに目線がいっているな。」
「普段、気にならなかったけれど、あの子はいつも頑張っている。」
というように、見えていなかった子や、その行為に目がいくようになります。

このメモが少ない子がいた時、自分の意識を変えるきっかけにもなるのではないかと思います。

 

4.このメモを書くことのメリット


このメモを書くことで、新たな気付きが生まれることもあります。
私の場合ですが、この子はこんなことが得意だったの?!と驚くことがありました。
また、通知表のコメントがより具体的に褒められているので、子どもたちも「先生はいつも自分のことを見てくれている」と思うようで、とても喜んでもらえます。

褒める要素が見つかれば、さらに学級の活動に幅が広がります。
1人ひとりの良いところをさらに伸ばし、生かしていくためのステップにもなり得ると思います。

4.最後に


私は始めの頃は、やはり慣れなくて、上手く時間もとれずにもどかしく思っていました。
しかし、この方法を続け、実践していくうちに、書くことに慣れ、褒めるポイントを見つけることもうまくなっていったように思います。

そして、やはり、子どもは褒めてもらうことが大好きです。
この方法が、学級をよりよく、楽しいものにするきっかけになれば、それこそ本望です。

ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。

 


■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。