「魔の6月」という言葉を聞いたことがありますか?
学校現場で聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
6月という時期は、4月に新学期を迎え、5月になり学校生活に慣れてきた子どもたちの中だるみする時期です。
その時期は、多くの学校で運動会という一大イベントを終了し、子どもたちの気持ちを勉強の方へ上手くシフトしていかないと、とても危険な時期でもあります。
最近、子どもが落ち着かなくなってきたと感じだり、学習への集中力が途切れてきたりしていると感じている方もいるのではないでしょうか。
また、自分の学級が荒れるなんて考えられないと安心している方でも、気を付けていないと、すこしのほころびから、あっという間に学級の雰囲気が崩れていってします。
先生方にとって魔の6月は乗り切る対策をしないと、危険な時期ともいえるのではないでしょうか。
ここ乗り切ることが出来なければ、学級を崩壊に向かわせたり、トラブル続きの日常が待っているかもしれません。
それでは、この魔の6月の乗り越え方を具体的に示していきたいと思います。
新学期から2か月が過ぎたこの頃、意識してみていないと気づかない「ほころび」が所々でみえ始めます。
新学期の頃は徹底していたのに、今は「まぁ、いっか。」と流してしまっていることはありませんか?
その具体例を出してみます。
ほころびの1つに、あいさつや返事に覇気がなくなることが挙げられます。
学級全体の元気がない。
やる気がない。
しかも梅雨の時期に入り、空気とともに、ジメジメした雰囲気になっている。
先生自身も、なんだかやる気がでない。
そんな時期だからこそ、まずは教師自身がしっかりと元気よくあいさつや返事をし、子どもたちの先導を切っていきたいものです。
そうすることで、子どもたちにも新学期の頃のような、はきはきとした元気なあいさつと返事が戻ってきて、学級の雰囲気も変わっていくことでしょう。
梅雨の時期ということもあり、教室やろうかが汚れます。
また、子どもが慣れてくると「面倒くささ」が出て片付けや掃除を進んで出来なかったり、やらなかったりすることがあります。
そんな時でも、「叱る」という対処をするのではなく、もう1度、4月に戻ったつもりで、一から共に教室環境をきれいに保つようにしていきましょう。
ほんの少しの汚れを放置すると、それがほころびの象徴とでもいうように、どんどん侵食して、学級を崩す原因になりかねません。
場をきれいに保つことで、子どもの心は落ち着きます。
意識して取り組んでみることをおすすめします。
慣れてきたこの時期、いじめなどの問題が多発する可能性があります。
もちろん、いじめ等に関しては新学期から目を光らせて対応していることと思います。
しかし、このことだけは、この時期は特に意識してください。
たった一つの悪口を見逃してしまうと、子どもたちは一気にその悪い波に乗ってしまいます。
私自身、それを見逃したことで、後になってどんどん肥大し、こんな子まで?と疑いたくなるような事態に発展させてしまいました。
大げさかもしれません。
しかし、その一つの悪口が子どもたちの中に「言っても問題ない」という考えを持たせてしまうのです。
また、その時の教師の対応を子どもたちはしっかり見ています。
「この程度なら、この先生は怒らない。」
というラインを引いてしまうのです。
子どもはしっかりと先生を見ています。
その対応、その言動をみた上で、彼らは行動しているのです。
ですから、教師としてぶれない指導をしてください。
ついつい無意識にやっていることがある方もいるのではないでしょうか。
時期的に雨だから、外の体育がきゅうきょできなくなった。
外でやるはずの実験、活動ができなくなった。
「あとでね。」と言って、結局やらずに終わってしまう。
など、やるはずだったことが急に変更してしまう場合がありますよね。
そんな時、大人であれば「仕方ない」で済みますが、子どもにとってはとても楽しみにしていたことが急に変更されれば、文句の一つも言いたくなるのです。
ですからこの対処としては、「事前に変更もある」ということを伝えておくことが必要になります。
「あとでね。」と言ったら、必ずあとで対応します。
私自身、この「約束を守る」ということをあまり重視していませんでした。
そこから子どもに不信感を作り出し、日に日に学級が荒れていく…という事を経験したことがあります。
たかが小さな約束なのかもしれません。
されど子どもにとっては、その日の一大イベントと思っている子もいるのです。
あなた自身の信頼関係を崩さないためにも、約束を守ることを意識することは大事なことでなないのでしょうか。
前章と似ているかもしれませんが、子どもたちにとって指示があいまいであったり、指示の言葉が違ったものであると、混乱し、次第に指示が通らなくなってきます。
やると伝えたら、徹底してやらせます。
そして、個人的な指示をしたら、全体にも伝える。
1人1人違う指示だと、教師の方が後で大変になります。
「まぁいっか。」としてしまうと、そこからジワジワと崩れてきます。
指示の言葉まで意識がいくと、もっと子どもたちも言葉に敏感になり、教室の雰囲気も引き締まります。
例えば、
「〇〇を△へ片付けます。」
と指示をしたら、それを言い直さないことです。
同じ言葉の繰り返しなら構いません。
「〇〇を△に置いてね。」「△に置くんですよ。」と語尾を変えるだけでも混乱してしまう子はいます。
徹底して、「〇〇を△へ片付けます。」と言い続けましょう。
これは叱るときも同じです。
「ここに来なさい。」と言っていたのに、「こっちに来て。」「ここに来るんです。」とくるくると言葉が変わっていくのでは、指示が通りません。
もちろん、できる子はいます。
しかし、中には指示が分からなくなってしまう子もいるので注意してください。
この褒めるという事は、やり過ぎて悪い方向に進むことはありません。
明らかにわざとらしく褒めていると、子どもたちも察していくので、そこは注意が必要ですが、そうでなければ、たくさん褒めてあげてください。
力強く、目を見て褒めてあげます。
褒めた足りていれば、子どもたちに自信もつき、6月という時期を乗り越えるのはそう大変なことではないと思います。
特に小さなこと、例えば床が汚れていたら率先して拭いていた子などを褒めると、全体へと波及していきます。
学習面でも、普段褒められている子はいいのですが、あまり目立たない子たちにもスポットライトを当ててあげられるようになるともっとよい学級経営ができます。
例えば、
「〇〇さん、字が格段にきれいになったね!」
「〇〇くんの返事の声が大きくなった!」
「〇〇さんの手の上げ方が素晴らしい!」
など力強く、そんなことでもいいの?と思う事でも何でも褒めていくと、子どもたちのモチベーションが一気にあがります。
なぜ魔の6月と言われているのでしょうか。
それは、教師自身の気持ちが緩んでしまう時期だからでもあるのではないでしょうか。
新学期からここまで気を張り詰めてやってくると、そろそろ疲れが出てくるとこかもしれません。
こうやっていつも気を引き締めているのでは、気疲れしてしまいますよね。
私もそうでした。
ですから、あれもこれもとうあるのではなく、何か一つでも徹底して、新学期当初のことに取り組んでみるのもいいのかもしれません。
これだけは、自信をもってやっているといえるものを作ってみるもの良いと思います。
学校中で一番あいさつのできるクラスなんて評判が立てば、それだけでも子どもたちは大喜びするはずです。
そして、この時期は子どもたちが学校生活に慣れ、先生にも慣れ、それぞれの子が自分の素顔を出してくくる時期でもあると思います。
ですから、この時期を逆に上手く使ってみるとより学級が活性化し、雰囲気も抜群に良くなります。
私の経験からですが、やはりこの時期は教師自身のやる気も、モチベーションも下がってきます。
そこをあえて、教師が初心に戻って、子どもたちと接していく。
すると、今まで気づかなかったそれぞれの子どもたちの良いところ、伸ばしたいところがもっともっと見えてきます。
それを探して、全体の前で褒めていく。
すると、面白いほどに子どもたちが良い方へ変化していきます。
「魔の6月」と言われているこの時期を乗り越えて、より楽しい学級経営をしていきませんか?
魔の6月を乗り切るには、もちろん、それぞれの踏ん張りや頑張りが必要です。
しかし、一人では超えられない時もあります。
自分では自分のことが一番わからないのです。
そんな時、それを解決する場があります。
共に子ども達のために、自身の成長のために、共につながり合う場があります。
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meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。