さて、これからやってくる英語の指導…
それを時間をかけずにどうにかしたい、ですよね?
だって、他にもやることはたくさんあって、いくら英語が教科化されたといっても、そこだけ重点的に指導していくわけにはいかないし。
それでも、子ども達には英語を身につけさせていきたい!
それが本音。
残念なことに、私を含め、多くの先生が、多くの日本人が
「間違った努力の仕方」をして、それでも上手くいかなくて苦しんでいるのが現実です。
時間と労力を正しい方向へ向かわせませんか?
そして、今まで無にしていた時間を有効に利用しませんか?
今日は授業構成について、お話します。
~授業はテンポよく~
これは誰でも知っているし、どんな教育本にも書いてあることですよね。
先生たちの間では、当たり前のこと。
しかし…
なぜか英語になるとテンポや間が悪くなる…
と感じる人もいるのではないのでしょうか?
それはなぜか。
1つは
英語に対する自信のなさ。そして踏ん切りがつかない。
ある意味、英語で話す時は、今までの
テンションを変える必要があります。
というよりも後でまた述べますが、言語の生い立ちを考えれば、英語で話すときは、日本語よりも大きな声ではっきりと発音する必要があります。
そうしないと伝わらないのです。
ですから、はたから見ると、いつもより大きな声でオーバーリアクションを心掛ければ「テンションが違う!」ようにみえるのです。
そしてもう1つは日本語と違って、母国語ではないからすぐに言葉が出てこない。
だから無駄な言葉、「えーっと。」「はい。」等の口癖が出てきてしまうのではないでしょうか。
それに加え、
英語の教材が少ない、やることのレパートリーがない、対応の仕方がいまいち掴めていない。等々。
その対処法は下記の通りです。
①まずは教師が「楽しもう!」という意識で
自信を持つ。というよりも、前にお話ししたように「間違ってもいい」というスタンスで子どもとともに学ぶという気持ちでいることが必要だと思います。
完璧にこなすことは、もちろん素晴らしいことだと思います。
しかし先生が完璧を目指すことが、必ずしも子ども達が学ぶために必要かというと、そうではありません。
指導法の一つに、「あえて間違う」というやり方もあります。
間違って子どもに指摘させることで、理解が深まる場合もあるのです。
正直、学校の英語教育に正直、親は期待していません。
もちろん、力を付けてもらえるなら、それに越したことはありません。
それより優先すべきは、「英語の楽しさを伝える」ということなのではないでしょうか。
子どもは興味関心が生まれてくればほっておいても、勝手に学びます。
だからこそ、それには、先生が完璧を目指して気を張って授業をするよりも、「楽しんで」授業をすることの方が優先されると思います。
②授業構成~小さな活動を毎回入れる
今はだいたい1時間が45分授業だと思います。
それを細かく区切っていきます。
・導入の5分。
・流れを切らずに次の活動に5分。
・主の活動30分。
・それと、最後の締めの5分。
主の活動は置いておいて、
5分の活動を毎回同じものを行います。
例えば…
・フラッシュカード
・基本の挨拶の繰り返し
これらの詳しい方法は、また詳しく今度お話します。
私たちは海外に住んでいますが、息子は日本語しか話せません。今年から英語を話すために幼稚園に通っていますが、
毎回やっていることは同じです。
現地でも有名な、学力を付けるには最適な学校でも実践されています。
子ども達は、同じことを繰り返すと安心します。
次に何が起こるのか、予想ができると心の準備ができるからです。
身につくまで同じことを繰り返す、しかしその内容は飽きないように少しずつ変えていくのです。
③しっかりと口を開けて、言葉にする
前述したように日本語と英語の違いに、声の大きさがあります。
言語が出来たときの気候、環境が関係しているそうです。
日本語はある程度、口を大きく開かなくても伝わる言語なのだそうです。
だから、ボソボソと話していて聞こえは悪くても、何を言っているのかはわかるし、伝わる。
しかし、英語はそうではありません。
大きな声で、はっきりと、しかもオーバーリアクションで伝えるようにしていく。
そうでないと、伝わらないし、伝わりにくい。相手も怪訝な顔をしたままになってしまいます。
英語は、しっかりと口を開いて、はっきりと言葉にしてください。
もちろん、子ども達にも、そうするように指導してください。
そうしないと、せっかく頑張って発音しても、結局伝わらない、使えない英語になってしまいます。
英語を話す人たちが日本人とは違って、オーバーリアクションであることは、多くの方がご存じだと思います。
先生がすぐに…は難しいかもしれませんが、子ども達にはどんどんのらせて、英語の時間は他の時間とは違う形で自己表現する場として話をしてみてもいいと思います。
④型を用意する
型とは、
例えばほめ言葉。
「Good!」いいね!
「Perfect!」完璧!
など、今度一覧にして載せまずが、自分の中でほめ言葉の型をいくつも用意しておくとよいかと思います。
いつも同じだと、子どもはすぐに見通して、褒められているとおもわなくなってしまうので、5個~10個くらいあると良いと思います。
しかも短く褒めることがコツです。
力強く、目を見てできるようになるとさらにいいと思います。
他には、
a.5分単位の授業の型
b.出会いの言葉
c.別れの言葉
d.あいさつ
e.メインの授業の型
これらが出来るようになれば、いくらでも応用が利くようになります。
メインの授業構成も、このように同じ「型」にはめて授業をすれば、子どもたちは飽きることなく、楽しんで授業に取り組むことができるのです。
⑤間を考える
「間(ま)」って何だろう?
そう思われた方もいると思います。
間は、間が悪い、間をもたせるなどの、時間の隙間のことです。
この「間」とテンポをうまく使いこなすことが出来たら…それは子どもにとってもその教室が心地よい時間と空間になることは間違いないです。
時間的な「ため」を作ったり、間を置かずに次の活動へ行ったり。
無意識な「間」を与えることは、子どもたちに隙を与えることになります。
普段の授業ではそんなことないのに、英語の授業では子どもたちが騒々しくなる、なんて人もいるかもしれません。
それはおそらく、子どもたちに隙を与えてしまっているから。
英語以外の授業よりも、英語の授業の方が、先生たちが何をするのか「型」を明確にして授業を進めていけば、子どもたちは楽しく、しかも身につく授業展開ができるのではないでしょうか?
■ 執筆者情報meg【教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。