言葉を聞けば、その人の生き方が見える?

【更新日】 2024年10月19日(土) コミュニケション・外国語運用能

言葉にもっと敏感になってみよう


教員の方であれば、言葉の扱い方には
相当気を付けていると思います。

でも実際に自分の発する言葉を
どれくらい意識的に使っているでしょうか?

以前、私は愕然とした記憶があります。
それは、子ども達に対して使う言葉に、無意識なところがあったからです。

例えば、
「ここは滑るから、転ばないようにね。」
だったり、
「集会中はおしゃべりをしないようにね。」
といったように、伝えていたのです。

もちろん、それが良い悪いという話ではありません。

ただ、私はそうなって欲しくないのに、
子ども達にそうなるような伝え方をしていたのです。

どういうことかというと、
望んでいる、してほしいような言い方をすればよかったのです。

上記の例でいえば、
「ここは滑るから、転ばないようにね。」
これでは、「滑る」「転ぶ」というキーワードが頭に入ってしまいます。

そうではなく、これを、
「ここは濡れているから、ゆっくり歩くといいよ。」とか
「バランスをうまくとって、歩いてみよう。」
と変えてみるのです。

また、「集会中はおしゃべりをしないようにね。」だと、
「おしゃべり」という言葉が入ってきます。

そうではなく、「話を集中してきくと、何か面白いことが発見できるかもしれないよ。」
 「受け身じゃなく、参加者として、集会中も学び合おう。」
といったように、
あなたの話を聞く子ども達が
「何に」フォーカスすればいいのか、
「何に」気を付ければいいいのか、
それを言葉を選び、伝える側が意識をする必要があります。

こんな風についつい、フォーカスしてほしくない言葉を子ども達に伝えていたなぁ…と気づかされた経験がありました。
さらに、この伝え方次第で、「先生は私たちに小言ばっかり」と印象付けてしまうのか、
「先生はいつも私たちのことを心配して、気にかけてくれている」と思われるのか。

意外と大きな違いが生まれてくるのです。

その点で信頼されるのか、それとも子ども達にとって信頼してくれない人だと認識されるのか…相手にとっての捉え方が変わってきてしまうのです。

なぜこのようなことを思うのかというと、私が教員として働いていた時に出会った方を見ていた時、
この「言葉」に対して子ども達から絶対的信頼をされている教員はやはり、後者の使い方をしていたのです。
つまり、フォーカスしてほしい言葉を選んできちんと伝えていたのです。

でもこれは慣れなので、意識するようにすれば簡単に変わっていきます。

自分は子ども達にどんな行動を取ってもらえると嬉しいのか。
その感情すら、正直に伝えることもよいかと思います。

ちょっとした意識で、関係性に影響を及ぼす言葉。
言霊というように、言葉を扱う私たちにとって、そのツールをいかに使いこなせるか?そこが信頼と結びついていくことは、もはや当たり前なのかもしれません。

私は特に、あまりにも無意識で教員という仕事をしていた時期がありました。
それでいて、「うまくいかない」と嘆いていたのです。

そうではなく、現状を受け入れたうえで、その解決策を見つけていけばよかったのです。
もし自分ではどうにもならない時は、他人の力を借りればよかったのです。

同僚に、「私の口癖って何?」と聞いたり、 「私の言葉で引っかかる言葉ってあったりする?」と実際に私は聞いたこともありました。

また、子ども達に直接、「先生の口癖とか、気になる言葉ってある?」と聞いてもよいかと思います。
その時に「先生なのに、子どもにそんなことを聞くなんて…」と一時期の私は引っかかったことがありましたが…そんな無駄なプライドは不必要だったと今なら思います。

でも実際は他人にそんなことすら聞けない方もいるかと思います。
そんな方は、自分の普段の音声を録音し、それを聞きなおしてみることもお勧めです。

実際私も、言葉が気になって録音していたことがありました。
すると、口癖や話し方、声のトーンや大きさなど気になりだしたら止まらなくなるほどに自分の発する言葉があまりにもツッコミどころ満載だったのを覚えています。

言葉に対して、敏感になってみてはどうでしょうか。
その時間を無駄だと捉えるのではなく、自分のステップアップとして考えてみると、少し意識が向いて、変化してくるかもしれません。

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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。