南の島からの働き方改革通信(No.1,4月12日号) R7業務改善宣言、しませんか?

【更新日】 2025年4月13日(日) 学校の働き方改革と教師の学び方
いよいよ始まりましたね。

新年度の職員会議の始まりは、どの学校もおそらく服務規定の説明がされたかと思います。
服務規定とは、私たち教員の労働時間や休憩時間、信用失墜行為の禁止などを含む働く(働かせる)上での約束事のことです。

これが確認された直後、毎年私はこう意見しています。

「今、服務規定が確認されましたよね。これに則って、この後会議で話し合われる取り組みが就業時間の前後に設定されたり、はみ出したりすることがないよう、全員で気をつけて見ていく必要があると思います。残業しない、持ち帰らない、部活以外で休日出勤しない、あまりにも業務がはみ出しすぎて麻痺しつつありますが、今一度これを念頭に置いてこの後の提案事項を話し合っていきたいですし、校長先生には私たちの勤務時間と健康管理の視点で学校経営をお願いしたいです。沖縄県教育委員会が発出した働き方改革推進プランでもかなり具体的に書かれています。校長先生、この点いかがですか?(覚悟ある回答を期待!)ありがとうござます。では、この後提案なさる各主任の先生方もどうぞよろしくお願いいたします。」

はじめが肝心です。

時間を無視した無法地帯は許しませんよ、という雰囲気を一気に作れます。

どうぞ、棒読みで構いません、一つでも多くの職員室でこの宣言、やってみませんか?

文中にもある、令和6年3月付で発表された沖縄県教委発出「沖縄県公立学校における働き方改革推進計画 みんなの学校!ピースフル・プラン」と「私たちのピースフル・プラン2023」も拠り所としてご活用いただきたいです。

「これは教員がやるものではない、改善の主体はどこ」そういったことをはっきりと確認できる資料です。
教育行政からの働き方改革とともに、管理職には勤務時間と健康管理を意識した計画を、そして私たち教員は時間対効果を考えた個人としての改革を進めていく必要があります。体はひとつ、時間は有限だからです、当たり前のことに立ち返って働き方を考えることです。

どうしてもはみ出してしまった業務は勤務の割り振りで別日にその分早く退勤できるよう調整を(校長先生が決めることができます)。

サポートスタッフの配置がある学校は教諭だけでなく養護教諭の負担軽減も。健診データの入力やケガの給付金などの事務サポートなどを担ってもらうことは可能です(文科省の資料に活用事例あり)。

「子どものためであればどんな長時間勤務もよしとする」という働き方で教師が疲弊すればそれは絶対、子どものためにはなりません。

中教審答申の一節を引用します。
「教師のこれまでの働き方を見直し、教師が自らの授業を磨くとともに、日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになることが学校における働き方改革の目的である。」

自己犠牲を伴う「子どもたちのため」ではなく、真に「子どもたちのため」になる教育活動を目指します。
我々教師のために、そして未来で教育を担う人たちのために、いかに手放すか、適正化を図るか、一年の動きを決める大事な1週間です。

勇気を持って、頭フル回転で、「これは変だぞ」「こう改善できるのでは?」を重ねていきませんか?

https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/027/590/2024peacelist2023.pdf?

【執筆者情報】
 波照間 千夏(はてるま・ちなつ)
  公立学校教諭。沖縄の教職員の働き方を考える会メンバー。SNSで教職員の働き方に関する情報を発信している。わが子にも生徒にも向き合える働き方を模索中。沖縄市出身