あなたの言葉は、子どもたちの中に生き続ける~信頼がつなぐもの~

【更新日】 2025年3月8日(土) コミュニケション・外国語運用能

あなたはこの一年、どんな風に子どもたちと接してきましたか?


もうじき春休み。
一年間全力で接してきた子ども達とも、別れがやってくる時期です。

在籍の子どもたちであれば、顔を合わすことがあるかもしれないけど、
卒業となれば、もう二度と会うことはないかもしれません。
また、自分が転勤となれば、会う確率はほぼなくなります。

しかし、タイトルにも書いたように、子ども達の中には
あなたの言葉がしっかりと残っているのです。

でもその前提は、
信頼関係を築けていたなら。
全力で子どもたちと向き合っていたならば。
です。

当然だと思われるかもしれません。
でも関わった時期に、
いかに信頼し合えたか…によって、
今後その子供たちが、あなたの言葉にどれだけ影響を受けていたかが変わってくるのです。

私はそれを痛いほど痛感しました。

信頼が全くなかった時、
私の言葉はすべてその子ども達にとって
元気をなくす言葉でしかなく、
子ども達を傷つける言葉でしかありませんでした。
どれだけ「誉め言葉」というものを言っても、全く入っていかなかったのです。

つまり、言葉は表面的なものではなく、
いかにそれを発する人が
目の前の人たちに対して、丁寧に全力で接しているか。

それだけだったんです。

初任のころ、恥ずかしいことに私は
自分のことで精いっぱいでした。

もちろん子ども達のために必死でやっていました。
それは同じです。

でも、本当に信頼し合っているクラスの先生と子ども達とは
大きな違いがあったんです。

それはどこかで、
「ちゃんとしなきゃ」
「先生として、威厳を保たなくては」
「この子の学力を上げたい!でも、私には力がない。こんな私に教えられてる子は可愛そうだ。」
といちいち思考が行動の妨げをしていたからだと今では思うのです。

分かりますでしょうか?
自分の力を全て発揮して、全力で子どもたちと向き合うということは、
こんな風に自分の出来ること、出来ないにフォーカスするのではなく、
純粋に、目の前の子たちにエネルギー注ぐ、ということなんです。

そこには、自分に対する他者の評価というものは存在しません。
ただただ、子どもたちが目のまえにいる。
そこに向き合う。

そんな単純なことが、
うまくいかない時は全くと言っていいほど、できていなかったんです。

そして、言葉というものも、
ただただ全力で向き合っている時というのは、
何年しても、何十年たっても、
子ども達の中に残っていて、
何かの拍子に彼らに希望を与えるものになっていたりします。

それを望んでいるというよりは、
そうなってしまうんです。

そうですよね。
目の前の人が、その人自身のことばかり考えていたら、
それが例え、素晴らしい言葉だとしても、
その言葉が受け取った相手の中に残ることはありません。

でもその人の意識が、全力で自分に向いていたら…
その言葉も、その伝えたいという想いも、
人間は受け入れて、自然と入っていってしまうんです。

今まで私たちは
外ばかりに目を向けていきてきました。

そうやって教育されてきました。

でもこれからは、外、つまり他者を気にして生きるのではなく、
せめて目の前の子どもと接するときは
全力でそこだけに集中してほしいのです。

これは簡単なことではありません。
もちろん、はじめから出来る人もいます。

それは今まで出会った人たちをみてきて思うのです。

全エネルギーを、
全フォーカスを、
全力で子ども達に向けてみませんか?

もちろん、一日中それをするのは
無理かもしれません。

でも、少しでも意識してみると、
自分の中に些細な感覚の違いを感じることが出来ると思います。

そしてその些細な違いは、
受け取る相手、つまり子どもにとっては
とても大きな変化を受け取ることになるのです。

人生の中で、
一人でも全力で自分と向き合ってくれた人が存在するか、しないか。

それは想像しただけでも
大きな違いを生んでいくのだと、
私は思います。
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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。