休めないあなたへ──「何もしない」ことが、最も生産的な夏休みになる理由

【更新日】 2025年8月4日(月) コミュニケション・外国語運用能

「何かやらなきゃ…」が止まらない夏


夏休みに入っても、心のどこかでずっと焦っていませんか?

「教材研究、しておかないと」
「新学期の準備、少しでも進めないと」
「他の先生はもっと頑張ってるかも」

周りの動きを気にして、
つい予定を詰め込んでしまう。

そんなあなたは、おそらく普段から
ものすごく頑張っている人です。
でも、そんな「休めない教師」こそ、
この夏、『あえて何もしない』ことが必要です。

あなたの心と体は、ずっと走ってきた


年度のはじまりから、目まぐるしく過ぎる毎日。
授業、保護者対応、校務分掌、職員会議、行事の準備。

「やらなきゃ」が続く日々のなかで、自分の呼吸や気持ちに気づく余白は、どれだけあったでしょうか。

教員という仕事は、
慢性的な緊張状態に陥りやすい職業です。
ずっと心が張り詰めている状態では、
パフォーマンスも下がっていきます。

それを回復するには、
『意識的な「脱力」』が必要です。

「何もしない」には意味がある


私たちの脳には、「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる活動状態があります。
これは何かに集中していない、いわば「ぼーっとしているとき」に活発になるネットワーク。

このとき、脳は記憶を整理したり、
自分の気持ちを見つめ直したり、
創造的なひらめきを生み出したりしています。

つまり、「何もしない」ことが、
脳と心をリセットする一番の近道なのです。

どうやって「何もしない」時間をつくる?


ポイントは、「予定を入れない」ではなく、「空白をあえて確保する」ことです。
    •    朝起きたら、スマホを見ずにコーヒーをゆっくり飲む
    •    目的のない散歩に出かける
    •    昼寝をする
    •    ただ空を見上げる

誰かのためでも、仕事のためでもない、
「自分のための時間」を意識して持つこと。
これが、秋からの自分を根っこから支えるエネルギーになります。

「それでも不安です」というあなたへ


「こんなにのんびりしてて、ちゃんと仕事に戻れるだろうか」
「時間をムダにしてる気がして、落ち着かない」
そう思ってしまう気持ちも、よくわかります。

でも、大丈夫。
「何もしない夏」は、あなたを立て直す
『仕込みの時間』です。

焦らず、自分の感覚を取り戻せば、
夏休み明けの自分が動きやすくなる。

疲れたまま迎える休み明けとは、まったく違うスタートが切れるはずです。

おわりに──「今、立ち止まる」ことの意味


教師という仕事は、常に誰かのために動き続ける営みです。
だからこそ、自分のために立ち止まる勇気を、 どうか忘れないでください。

この夏、あなたが「何もしない」を選んだら、
それは決して怠けでも逃げでもありません。

「一番、生産的な選択」です。

しっかり休んだあなたの姿が、きっと子どもたちにも届いていきます。
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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。