休み明け、何も変わらない気がしているあなたへ──教員人生を「整える」8つのシンプルな週間と仕込み

【更新日】 2025年8月13日(水) コミュニケション・外国語運用能

また始まる。
けれど、何も変わらない

そんな気がしていませんか?

夏休みも半分が終わった頃。

「あれもやらなきゃ」「そろそろ準備しないと」
と思いつつ、
どこか憂うつな気分で過ごしている
教員の方も多いかもしれません。

去年の反省はある。
「今度こそ、もう少し余裕を持って」
と思っていた。

でも結局また、
忙しさの波にのまれてしまう気がしている。。。

そんなあなたにこそ、
「休み明けを迎える前にしてほしい
たった8つの習慣と仕込み」を、
そっと手渡したいと思います。

それは、子どもたちのためというよりも、
まずあなた自身が、
教員としての自分を保ち、
整えるための準備です。


1. 週1回「振り返りタイム」を手帳に書く


忙しい日々こそ、見過ごしてしまう「自分の気持ち」。

週に1回、15分でいい。
「今週はどんなことがあった?」
「今、何を感じてる?」
と問いかける時間を確保しておくと、
忙しさに飲まれた自分を
引き戻すスイッチになります。

それを学校が始まる前から準備してしておく。
少しでも習慣にしておく。
そんな些細なことで、私自身、救われた経験があります。


2. 「自分だけの『教育引き出しノート』」をつくる


学年が変わっても、担当教科が変わっても、
毎年変わらないもの。

それは「あなた自身の『感覚と工夫』」です。

おすすめなのが、自分の授業・関わり・気づき・アイデアを
1冊に集めた
「教育引き出しノート」をつくること。
デジタルでもアナログでもOKです。

たとえば、こんなふうに書いてみてはどうでしょうか。
    •子どもがざわついたとき、うまくいった一言
    •「静かに」「より伝わった」表現
    •子どもが前のめりになった板書の工夫
    •保護者懇談会で響いた声かけ
    •自分の機嫌がよく保てた1日の流れ

こうした「経験のメモ」は、
学年が変わっても通用します。
そして、それはあなただけの
「教師の技術ストック」になります。

これをやるとどうなる?


    •    異動や学年変更にビクビクしなくて済む
    •    すぐ授業に生かせる「引き出し」が増えていく
    •    「自分って教員として何ができるんだろう?」という迷いが減る
    •    自信や軸が、経験を通して育つ

こういったメリットがあります。
面倒だなと思うかもしれません。
でもスマホにパッと入れておいたり、
付箋で書いて項目ごとにまとめておいたりすると、
意外と便利で使えます。


3. 「職員室ストレス」の境界線を決めておく


誰かの機嫌に振り回される。
なんとなく居心地が悪い。
話したくないけど断れない。

そんな日常が、地味に心をすり減らします。
「昼休みは大人とは関わらず、子供とだけ過ごす」「毎朝10分だけ音楽を聴く」
「職員室は会議の時と、荷物を取りに行くだけ」
「また何か言われると嫌だな。今日は職員室に一瞬寄るだけで帰れるようにしておこう」

など、自分の守り方を最初に決めておくのは
大事な「セルフケア」です。


4. 「授業以外の感情労働」があることを認識する


教員の仕事は「授業」だけじゃありません。
保護者対応、同僚との人間関係、 
子どもの感情のケア……。

もちろん、子ども、保護者、同僚によって
救われたり、喜びが増したり、感動したり。
それこそが教員の醍醐味です。

でも、反対にその全てが、
エネルギーを消耗させる感情労働になりうることも
頭の隅に入れておく。

それだけでも違います。
全て受け入れて、
全て受け止めていたら「疲れて当たり前」だと知っておくだけで、
自己否定が減ります。


5. 9月(夏休み明け)の「最優先タスク」を3つに絞る


やらなきゃいけないことは山ほどあります。
でも、すべてを完璧にこなそうとしないこと。

「まずこれだけはやる」と3つ決めておくことで、
エネルギーの分散を防げます。

人間ですから、出来ることに限界があります。
ついつい教員は何でもこなしてしまいがち。
それによって疲弊してしまいがち。

でもあえて、最優先を決めることで
そこに集中することができることに加え、
意外とそれ以外のことまでスムーズに進んでいくのです。

全てに同じエネルギーで関わるよりも、
力を入れるところ、抜くところを決めて取り組むことは
忙しい教員にとって必要なことです。


6. 「自己メンテ日」をあらかじめ手帳に予約


がんばるあなたに必要なのは、
「あとで休む」ではなく「休む前提」です。
1日休めないなら、半日でも。
半日が無理なら、夜だけでも。

「予定に入れておかないと、休めない」のが、
教員のリアルです。

手帳に入れた「メンテナンス日」は
罪悪感を持つことなく、
しっかり休んだり、好きなことをしたりしてください。

しっかり自分のメンテナンスをすることで、
あなたと関わる人たちに
良い影響を与えるのです。


7. 最初の3日間は「子どもとの関係づくり」に全集中


学級が安定するかどうかは、休み明け最初の3日間にかかっています。
指導よりルールより何より大事なのは、「先生は味方だ」と感じてもらうこと。

その関係性が、その後のすべての基盤になります。


8. 好きなもの・好きな時間に「触れてから」出勤する


学校が始まると、自分のことは後回しになりがち。
だからこそ、最初に「自分に栄養を与える時間」を取っておいてください。

お気に入りの音楽でも、コーヒーでも、小説でもいい。
あなたが機嫌よくいることが、
子どもたちへの最大のギフトです。


おわりに。

変わらない日々の中で、自分を変える


「今年も同じになりそう」と感じたときは、
「自分の整え方」をほんの少し変えてみてください。

全部やろうとしなくていい。
ひとつでも、できそうなものから取り入れてみてください。

教員としてのあなたが、あなた自身の人生の主人公であるために。

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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。