忙しさに飲み込まれそうなあなたへ 〜1分でできる「呼吸リセット」が教師を救う〜

【更新日】 2025年10月2日(木) コミュニケション・外国語運用能

忙しさに飲み込まれそうなあなたへ

〜1分でできる「呼吸リセット」が教師を救う〜


はじめに


10月。
遠足や文化的な行事、テストに追われる学校もあれば、
特に大きな行事がなく、授業中心で子どもたちの集中力が途切れやすい学校もあります。

どちらにしても、教師にとっては「ペース配分が難しい時期」ではないでしょうか?

気づけば自分の呼吸が浅くなり、
心の余裕を失いやすいのが10月です。

気づけば教員自身が
「時間に追われ、呼吸する余裕もない」状態に
なりやすいのが、この季節です。

でも、実はそんな時期こそ、
呼吸が最大の味方になります。

呼吸は、自分の心身を一瞬で整えることができる「持ち歩けるメンテナンスツール」なんです。


呼吸と自律神経〜なぜ効くのか?〜


人の体には、自律神経(交感神経と副交感神経)があり、
心と体のスイッチを切り替えています。

・交感神経:
緊張・焦り・戦闘モード
(呼吸が浅く速い)

・副交感神経:
安心・集中・回復モード
(呼吸が深くゆるやか)

教員は、授業・対応・雑務に追われて
交感神経優位になりがちです。

そのままでは疲労が蓄積し、
イライラや不安も増大してしまいます。

でも呼吸は、自分の意志で唯一 
「自律神経に直接アクセスできるスイッチ」。

ゆっくり吐けば副交感神経が働き、
心も体も自然に落ち着きます。

教師あるあるシーンと「呼吸リセット」

〈ケース1:授業の切り替えがうまくいかないとき〉


子どもがザワザワしていて、
「早く静かに!」と声を荒げたくなる。

⇨教師がまず椅子に腰をかけて3回呼吸リセット。
→ その落ち着きが子どもに伝わり、授業に入りやすくなります。

〈ケース2:行事前で気持ちが高ぶるとき〉


行事前、準備と練習で余裕がなく、頭がパンパン。
⇨職員室の自席で30秒、吸う3秒・吐く6秒を繰り返す。
→ 頭の中の「ごちゃごちゃ」が少し整理されます。

〈ケース3:叱ったあとに後悔するとき〉


感情的に言いすぎてしまった…。
⇨子どもが帰ったあとに窓を開けて深呼吸。
→ 息を吐きながら「自分を責める気持ち」も一緒に流す。

呼吸は「自分をやり直せる時間」をくれます。


教師におすすめの呼吸法3選


① 腹式呼吸(ベーシック)
・鼻から3秒吸う → お腹がふくらむ
・口から6秒吐く → お腹がへこむ
⇨ 「頭の中の雑音をオフにする」効果あり

② 片鼻呼吸(ヨガ式)
・右鼻を押さえて左鼻から吸う → 左鼻を押さえて右鼻から吐く
・逆も同じ
⇨頭がスッキリし、左右の脳のバランスが整う

③ ため息呼吸
・大きく息を吸って、「ふぅ〜」と声を出しながら吐く
⇨緊張や怒りを一気に外に出せる。
教員にとって自然で取り入れやすい方法


習慣化のコツ〜チャイム呼吸〜


呼吸の効果は「一回きり」ではもったいない。
続けるには、学校のリズムと結びつけることが有効です。

・チャイムが鳴ったら1呼吸
・授業開始前に3呼吸
・子どもが提出に並ぶ時間を「呼吸タイム」にする

⇨ 「呼吸=儀式化」すると、自然に身につきます。


教師自身のセルフケアとして


大切なのは、「呼吸はサボりではなく、仕事の一部」だと認めることです。
実際にそうなのです。
なぜなら、私たちが「生きている」という証拠は呼吸です。
現代人はあまりにも「呼吸」をおろそかにしすぎています。

そして呼吸によって整った教員は、
より落ち着いた授業ができ、
子どもへの対応も優しくなれるんです。

つまり、呼吸は教員のパフォーマンスを最大化する投資なのです。


おわりに


1分の呼吸で、心が落ち着く。
3回の呼吸で、子どもとの関係が変わる。
呼吸は、教員が一番手軽に使える「リセットボタン」です。

この10月は「呼吸月間」にしてはどうでしょうか。
あなたの毎日に、ぜひ「呼吸リセット」を取り入れてみてください。

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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。