叱る前に、息を吐こう──教師の「呼吸スイッチ」が子どもとの関係を変える

【更新日】 2025年10月14日(火) コミュニケション・外国語運用能

はじめに

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10月。子どもたちは学校生活に慣れ、
エネルギーが爆発する時期。
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授業中に私語が止まらない、
課題をやらない、
反抗的な態度を見せる…。
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そんなとき、教師の口から出るのは「いい加減にしなさい!」「何度言ったらわかるの!」
または、心の中で「何でうまくいかないんだろう。」「疲れてるなぁ。」「ちゃんとして欲しいのに。」といった言葉たち。
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でも、叱ったあとに「言いすぎたかな」と胸がチクリと痛むこともあるはずです。
心で思った後に「あんなこと思うなんて。」と自己嫌悪におちいる人もいるかもしれません。
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口に出さなくとも、
イライラが募ったり、
落ち込んだり、
気分が変えられずに、「機嫌の悪い先生」で過ごしたり。
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そんな場面で有効なのが、「呼吸スイッチ」。
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言葉を発する前に、
落ち込んだ時に、
呼吸を変えることで、
子どもへの伝わり方も、
関係性もガラッと変わります。
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呼吸が変える「言葉の質」

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怒りや焦りのとき、呼吸は浅く速くなり、
声は鋭く高くなります。
同じ「静かに」と言っても、子どもには「威圧」として届いてしまうのです。
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一方で、ゆっくり息を吐いたあとに出す声は落ち着き、自然に低くなります。
同じ「静かに」でも、子どもには「安心」として響きます。
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呼吸は、言葉のトーンを変える魔法の前奏。
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呼吸ひとつで、指導が「叱責」から「伝達」に変わります。
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実践例①:荒れている子どもへの対応

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廊下を走り回る、授業中にふざける…。
頭ごなしに注意すると、火に油を注ぐことも。
•呼吸を深く一度吐く
•声を落ち着けて「どうした?」「何かあった?」と聞く
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 「叱る教員」ではなく「聞く教員」として接するだけで、子どもは態度を変えます。
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「わかって欲しい」その声を受け入れるには、当たり前ですが、受け止める側である教員が落ち着いていないと無理です。
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実践例②:学級全体のざわつきを抑える

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授業中、クラスがざわざわ。
「静かに!」と何度も言うほど逆効果に…。
•黙って黒板の前に立つ
•教師自身が大きく深呼吸
•数人の子が真似し始めると、波紋のように教室に広がる
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呼吸は「空気を変えるスイッチ」。
声を張り上げるよりずっと効果的です。
これは私がやって効果があったこと。
呼吸だけで?と半信半疑でしたが、効果抜群でした。
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実践例③:泣いている子への寄り添い

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トラブルで泣きじゃくる子。
すぐに「どうしたの?」と声をかけても、言葉は届きません。
•子どもの隣に座る
•一緒に呼吸を合わせて、ゆっくり吐く
•子どもが落ち着いてきてから、言葉をかける
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呼吸は「言葉が届くまでの橋渡し」になります。
間(ま)が怖くて…。
そんな声も聞きますが、その間も呼吸に意識を向けてみてください。
その間が、その子にとって必要はこともあるのです。
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実践例④:保護者対応・同僚とのやり取り

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感情的な言葉をぶつけられたとき、すぐに反論したくなるのは自然なこと。
でもその一言が、後々大きなすれ違いになることもあります。
•相手の言葉を受け止める
•返す前にひと呼吸
•落ち着いた声で「承知しました」「少し整理させてください」と返す
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呼吸が「言葉のクッション」となり、対立を防ぎます。
たった数回の呼吸が、あなたにも相手にも助けとなることがあります。
嘘だと思って、やってみてください。
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呼吸と「待つ力」

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教員にとって一番難しいのは「待つこと」。
でも呼吸を意識すると、不思議と余裕が生まれます。
•叱る前に呼吸一つ
•答えを待つ間に呼吸一つ
•言葉を選ぶ前に呼吸一つ
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そのワンクッションが、子どもに「安心して話せる余白」を与え、信頼関係につながります。
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呼吸トレーニングで日常を変える

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「叱る前の呼吸」は、練習なしでは咄嗟に出ません。
だから日常の中で“呼吸を整える習慣”を積み重ねておくことが大切です。
•朝の会で全員で3回深呼吸
•授業前に教師自身が「呼吸リセット」
•放課後、職員室に戻ったら1分間の呼吸タイム
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呼吸が日常化すれば、いざというときに自然と“呼吸スイッチ”が入ります。

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おわりに

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叱る前に、息を吐こう。
急ぐ前に、息を吸おう。
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呼吸は、教師にとって人間関係を整える最もシンプルで強力なツールです。
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この10月は、呼吸を「叱責を防ぐ魔法のスイッチ」として使ってみてください。
きっと、子どもも、保護者も、同僚も。

私自身、呼吸を本格的に取り入れ、実践してからは
面白いほどに変化し始めています。

ただ「呼吸に意味なんてない」とか
「そんなことで変わるはずがない」とか
「無駄でしょ」とか。
そんな風に思ってしまいがち。

でも、たったそれだけのことで 
目の前の現実が、自分にとって心地よいものに変わっていくとしたら…
やってみたいと思いませんか?

もちろん、即効性がある時もあるし、
じっくりゆっくりじわじわと効いてくる時もあります。

でも呼吸は必ず、効いてくる。
子供たちと、あなたを繋いでくれます。
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続けることで、
あなたの言葉に、安心して耳を傾けてくれるはずです。


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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。