教師は「今」にいるようで、いない

【更新日】 2026年4月9日(木) コミュニケション・外国語運用能

時間の中で働きすぎている私たちへ

授業中、子どもを見ている。
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でも同時に、
次の時間割を考えている。
提出物の確認を思い出している。
放課後の会議を気にしている。
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私たちは「今」に立っているようで、
実は少し先の時間に足をかけています。
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それは、教師に必要な力

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先を考える力は、
教師にとって欠かせません。
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見通しを持つ。
段取りをする。
予測する。
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この力があるから、
授業は成り立ちます。
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教室という場所は、
ある意味で「未来設計」の場でもあります。
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だから私は、
単純に「今ここにいましょう」と
言いたいわけではありません。
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未来を考えることは、
教師の大切な仕事の一部です。
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ただ、最近ふと感じることがあります。
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問題なのは、
未来を見ることではなく、
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そこに居続けてしまうこと
なのかもしれない、と。
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時間に引っ張られる身体

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次のことを考え続けていると、
身体は少しずつ落ち着きを失います。
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呼吸が浅くなる。
声が急ぐ。
視線が忙しく動く。
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自分では落ち着いているつもりでも、
どこか余裕がない。
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それは、能力の問題ではなく、
時間の使い方の問題かもしれません。
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最近、自分自身でも
少し不思議な感覚があります。
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今やっていることに意識を戻すと、
時間の流れが少しゆっくり感じられる瞬間がある。
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周りの音や空気が、
少しだけはっきり感じられる。
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大げさな変化ではありません。
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でもそのとき、
焦りの感覚は消えています。
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「今にいる」とは、止まることではない

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今にいるとは、
未来を考えないことではありません。
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未来を捨てることでもありません。
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今にいるとは、
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今を起点に未来を見ること。
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背骨があると、
身体はここにあります。
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身体がここにあると、
思考は自由に前にも後ろにも動けます。
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未来を考えることもできるし、
過去を振り返ることもできる。
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でも、戻ってこられる。
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これが、とても大きい。
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教室に起きる変化

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教師が今にいるとき、
教室の空気は少し変わります。
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急がない声。
揺れない視線。
必要以上に追い立てない空気。
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子どもは、
言葉より先にその状態を感じ取ります。
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「落ち着いている先生のクラスは落ち着く」
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よく聞く言葉ですが、
それは指導力だけの問題ではなく、
状態の問題なのかもしれません。
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今日できる小さな実践

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授業の始まりに、
ほんの10秒だけ。
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黒板の前に立ち、
何も言わずに一度息を吐く。
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足の裏を感じる。
背骨が縦に通っている感じを、なんとなく感じる。
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それから、話し始める。
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それだけで、
1時間の質が変わることがあります。
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私たちは、未来のために働いている。

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でも、
子どもが生きているのは「今」です。
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その今に、
自分の身体がちゃんとあるか。
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背骨の話は、
姿勢の話だけではなく、
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時間の話でもあるのかもしれません。


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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。