全国の学校で、「先生」たちの働き方改革が進められています。しかし、現状はなかなか改善されるどころか、コロナ禍での臨機応変な対応の連続に、もはや現場は限界に近い状況です。「先生」のなりて不足という深刻な事態になりました。教員採用倍率も低下を続けています。
心と身体のバランスを崩し、休職を余儀なくされたり、早期退職の道を選ばざるを得ない20~30代の若手の「先生」も増えています。通院はされていないまでも、ギリギリの中で立ち続ける先生方も大勢いらっしゃることでしょう。あまりの多忙感で、「先生」が抱える悩みや苦しみ、葛藤やモヤモヤを話せる時間も場もなく、聴いてもらえる相手もいない、という悲鳴にも近い声があがっています。
学校現場の働き方の改善と「先生」の支援は、もはや急務です。
NPO法人「共育の杜」でも、支援の在り方を検討してきました。そこで、「先生」のそんな思いを「互いに聴き合う」ことを大切にした対話を通して、少しでも「先生」 に元気になってほしいと願い、、エンパワメント会員向けに「ピア・サポートルーム」を開設することにしました。
「ピア・サポートルーム」の、「ピア(peer)」には、同輩、仲間等の意味があります。また、「サポート(support)」とは、支えや援助のことです。「ピア・サポートルーム」は、エンパワメントのメンバーの疑問や迷い、悩み、困りごとなどを、参加された「先生」と一緒に自由に語り合い、考え合う場です。誰かが一つの答えを出したり、まとめたりするのではなく、語り合う中で、自分なりの答えが見えてきたり、気持ちの転換がはかられたりすればよいと考えています。
★第5回テーマ★
「教師のつながり」パート2
「共育の杜理事」の中楯浩太(なかだてこうた)です。
【ピア・サポートルーム開催】第4回目の《ピアサポート・ルーム》は「教師のつながり」について語り合いました。
教師のつながりには、ポジティブとネガティブの両側面がありそうだという話になりました。
職場でのつながりは、困った時や苦しい時には大きな支えになります。しかし、強いつながりが求められるだけにそれが、同調圧力を生むこともあります。また、同じ職場で長い時間過ごすことで職場内に留まり、外の新しい学びに意識が向かないということや社会とのつながりが希薄になるということも起こります。
安全な場を保障するうえで詳しくはお伝え出来ませんが、許可をいただいた方の声をご紹介します。
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◎学校で働いていておかしいと思うことや不満に思うことがあっても、それをなかなか自分たちで変えていけないもどかしさがあります。このような、ゆるく話ができそうな場所には、できるだけ参加したいと思っていました。自分も、周りの参加者の方もいろいろな思いがありますが、それでいいんだと認めてもらえたような気持ちになります。進行の先生がみなさんが話せるように上手に進められていました。もう少し時間が長いとより話ができて良いと思いました。
◎悩み苦しむ先生たちを何とかしたいという気持ちで参加しました。強制的ではなくて、ゆったり話せる雰囲気がよかったです。もっといろんな人と気持ちを共有したいと思いました。
◎子育てなどもあり、直前まで参加できるか分からなかったり、お金がかかるのかなと参加に不安がありました。でも、サポーターの方が知り合いであったことや少人数で安心安全な場所であること秘密が守られることを理由に参加しました。同業者の中でも色々な役職、環境によって悩みの中身も変わるんだなと思いました。色々な悩みを聞くことで視野が広がり職場の人の理解にやくに立ちそうだと感じました。
◎対話の場に関心があり、声をかけていただいたのが大きな参加理由です。対話のよさをあらためて感じました。どんなことでも声に出してよくて共感を持って聴いてもらえる場を創られていることが希望そのもので、自分自身の気づきにも
なりました。皆さんのジャッジを横に置いたあたたかい雰囲気づくりが、はじめての参加でも安心できました。ありがとうございました。
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さて、第5回目のテーマはまだまだ、話したりなかったということもあり「教師のつながり」パート2です。
教師のつながりについてお一人お一人が抱える思いを大切にゆったりと語り合う場にしようと思います。
一緒にお時間を過ごして、ホッとしませんか?
基本的には、参加者のみなさんで語り合うことが中心になりますが、ルーム・サポーターとして澤と中楯も伴走しますので、ご安心ください。
澤は、長年現場の先生たちの様々な悩みや違和感に向き合い耳を傾け続けてきた元養護教諭で現在はスクールカウンセラー(公認心理師)として仕事をしています。
中楯は、小学校教師として何度も挫折を味わいながらも同僚に支えられて、乗り越えてきた元教師のメンタルコーチです。
また、もし職場で苦しい思いを抱えていらっしゃるような方がいらっしゃれば、お気軽にお誘いください。この場が、そのような方々を支えることにつながることを願っています。
また、もし職場で苦しい思いを抱えていらっしゃるような方がいらっしゃれば、お気軽にお誘いください。
この場が、そのような方々を支えることにつながることを願っています。
2022年10月9日(日)10時~11時
オンラインサロン「エンパワメント」会員
参加者の疑問や迷い、悩み、困りごとなどを、一緒に自由に語り合い、考え合う場に参加したい方
「ピアサポ」への参加を希望される方は、下記の申込みフォームよりご登録ください。
※なお、4回目以降も継続的に参加を希望される方は、「エンパワメント」会員登録をお願いします。
10名(先着順)
10月7日(金)21時
澤 栄美
国立熊本病院附属看護学校卒業、熊本大学養護教諭特別別科、岐阜大学大学院教育学研究科修了。
1981年4月より38年間熊本県及び熊本市の養護教諭として小中学校に勤務。養護教諭現役時代、熊本市養護教諭会会長をはじめ18年間連続で熊本市養護教諭会の役員を務め組織運営にかかわる。平成25年度文部科学大臣優秀教員表彰他,教育、学校保健分野での表彰多数。2019年3月定年退職後、2019年〜2021年熊本市養護教諭初任者研修指導講師。2022年4月より熊本市スクールカウンセラー、熊本市教育委員会教育委員。
公認心理師、学校心理士(日本学校心理士会熊本支部副支部長)
中楯 浩太
「共育の杜」理事
〔自分軸〕メンタルコーチ
(一般社団法人)日本セルフエスティーム普及協会「自己肯定感」認定トレーナー
慶應義塾大学SFC研究所所員
元公立小学校教師として「楽しい思い出と確かな自信を!」をモットーに19年間勤務。長野県への移住を機に独立し、プロコーチとして活動。「自分らしく幸せに生きられる社会」を実現したいという願いのもと「自分を大切にする教育から、他人(ひと)を大切にする社会を創る」ことをビジョンに掲げ、多方面で教育環境のアップデートに注力。「子どもたち」を支える「先生たち」を支えるためにまずは、「先生」自身が「自分を大切にする」ために〔自分軸〕づくりプログラムを実施。その他、「共育の杜」の「ピア・サポートルーム」、「社会創発塾」の「萩・松下村塾プログラム」、「臨床心理士×元教師」の教師のメンタルサポートライブ「Well-Being共育プログラム」などの企画運営に携わる。
『この先を生む人』さくら社(2章に掲載)、『今すぐ受けたい授業』朝日新聞出版(社会科の学習で掲載)、『子供の思考をアクティブにする社会間の授業展開』東洋館出版(『世界の人々と共に生きる』担当)、『小五・小六 教育技術』小学館(2016~2017 教科特集社会科担当)
1975年8月4日生まれ(※吉田松陰と同じ誕生日に、ひそかに喜びを感じている)