『まんがで知る 教師の学び2』
~対話的な学び~の学びを生かす
1. 手順の説明
以下において、『まんがで知る 教師の学び2』 「対話的な学び ~ストレッチ、リフレクション、エンジョイメント※」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評します。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明します。
最後に全体を要約して結論づけ、まとめます。
2. 本章のまとめ
本章の要約を下記にしめします。
・教師がメディアの特性を理解し、情報の使い手となれば、テクスト※をもとにしてコンテクスト※を想像させた、知的好奇心を高める「情報への飢え」を生む授業になり、その情報をもとに子供が「相互作用」を起こす。
・ICTに関する知識に加えて学習理論(本を読む、学会へ行く)を学び、強みの強化をすると、対話的な学び(考えのやりとりにより、深い理解を促すこと)が起こる
・仕事への思いと他者とのつながりを言動力にして、自分自身に目標を設定し、アクティブラーナーになる
3. 疑問に思うこと
本文から次の2文をピックアップしました。
「知的好奇心を高めるためには”情報の飢え”が必要なんだ。」
「メディアの特性を生かすことだ」
これを重要ポイントとし、下記に問題提起を示します。
「授業の方法として、写真を使ったり動画を使ったりする方法がある。
果たして、何のために(この場合では情報の飢えを与えるために)このようなやり方をしているのか、意識して教師は取り組んでいるのだろうか。」
4. 学びをどう生かすか
「事実を表現する際、その伝え方や言い回しによって、人の受け取り方は変わってきます。」(朝日新聞より抜粋)
このように書かれている文を読んだとき、学校の教師は「自身の言い方や伝え方に敏感になろう」と意識したり、今の自分を振り返ったりします。
なぜなら授業には必ず、受け取り手である子ども達がいるからです。
次に情報の飢えについて、同じような心理効果として「フレーミング効果」というものがあります。
同じ内容でも、数字やデータなどの見せ方を変えることで、理解や判断のされ方が異なってくることを「フレーミング効果」という。
他にも、「ウィンザー効果」「パンドワゴン効果」「同調効果」など様々な心理効果があります。
「情報の飢え」と平行して、この心理効果を生かして授業に取り組む余裕があれば、それを生かしていけます。
残念ながら現役の時の私はこのような心理効果も知らず、授業の目的すら持たずに授業を行っていた時期がありました。
なぜならば、目の前のことで必死だったからです。
しかしこれは、言い訳です。
例えば教科書を進めていく上で、「指導書」があります。
そこに仮に「写真を示す指導法」が書かれていたとします。
特に初任者は自分で授業を組み立てたてると時間がかかってしまうので、場合によって指導書に沿った授業をします。
そうすると、「なぜ」その写真を使うのか?
そもそも「なぜ」写真が必要なのか?など考える間もなく、授業をしがちです。
これは私だけかと思っていましたが、他の初任の仲間たちも指導書に頼っていたり、インターネットや本から引用したりして授業を組み立てている人が多かったのです。
それはそれで良いと思います。
なぜなら、全ての授業を自分で構成しているほどの時間がないのが現状だからです。
しかし授業を始める前に、その授業の目的と共に、「なぜその教材を使うのか」「なぜそのような教えかたをするのか」をほんの少しの時間でもいいから取ると全く違う授業になります。
少しでも頭に入った状態と全くそうでない状態では雲泥の差があるとも言えます。
「なぜ?」と立ち止まってみること。
その癖をつけていくと、今までの授業から変化してくるはずです。
5. まとめ
情報の飢えという観点を、もし現役の時に知っていれば、また違った授業を展開することができたのにと少し悔しさを覚えました。
ただ仮に、私がこの「指導法」(テクストとコンテクスト)を現役の時に知っていたら、教育技術に偏っていたに違いありません。
「子どもたちは何を求めていて、どうすればその求めていることを形にできる授業が成り立つのか。」
「どんなことを身につけさせたいのか。」という教師の想いや目的は必須です。
教師は常に学び続けなければなりません。
先人の知恵を借り、学び続ける他者とのつながりを持ち、また新しいICTの技術も身につけていく必要があります。
だからこそ、「習慣」になるまで意識を向けて取り組んでいくと、少しでも仕事にゆとりがでるのではないでしょうか。
【参照】
※テクスト…写真や文章のような情報そのもの
※コンテクスト…その情報が作られた背景や状況のこと
※同じ経験をしても学べる人と学べない人の違い
・ストレッチ…高い目標に向かって挑戦する力
・リフレクション…何かアクションを起こしている最中や後に振り返る力
・エンジョイメント…やりがいや意義を見出して、仕事を楽しむ力
この3つの要素を高める原動力となるのが、仕事への価値観である「思い」と他者との関係性である「つながり」
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。