『まんがで知る 教師の学び』
~学び合いと社会的構成主義~の学びを生かす
1. 手順の説明
以下において、「まんがで知る 教師の学び」の「第5章 学び合いと社会的構成主義~授業形態の真似で終わらせないために」の要約を行い、それについて批評します。
まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評します。
主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明します。
最後に、全体を要約して結論づけ、まとめていきます。
2. 本章のまとめ
本章を要約すると下記のようになります。
・授業形態の真似だけでは、学習者の考えが変化したり、深まったりすることが起こらないことがあるので、「手法」を真似るのではなく、「学習者の考え方」として捉える。
・自らの考えをもち、「言語」を使った「対話」による相互作用によって、考えを変化させたり深めたりする学習が「学び合い」と言える。
3. 疑問に思うこと
本文から重要ポイントとなる言葉を2文ほどピックアップしました。
「授業形態の真似だけで終わらせないためには、まず「学び合い」を「手法」としてとらえるのではなく、「学習者の考え方」として捉えなくてはなりません。」
「対話による相互作用によって、より自分の考えが変化したり、深まったりする。授業形態の真似だけで肝心な相互作用が起こらないということがあるのではないでしょうか。」
それに対する、問題提起です。
「授業の参観のみで授業者と対話をしない限り、授業者の授業観は見えにくい。そうすると授業の形態ばかりに目がいってしまうことは否めない。
ベテランになればその視点を身につけることはできても、新任教師には難しい。
その授業者が身近であれば可能だが、対話のチャンスがない場合、どのようにしてその授業者の授業観を知ることが出来るのだろうか。」
4. 学びをどう生かすか
指導観は指導案※をみれば書いてあります。
しかし、授業観を書く項目は設けられていることがほぼないように見受けられます。
授業観に注目したり、意識を向けたりというよりも、授業形態や方法論に重きが置かれているのではないでしょうか。
文部科学省の審議会の中でも、「授業観を切磋琢磨し合う」必要性が述べられていますが、多くの学校や教師の間でやはりそれは対話の中でしか共有できていないのが現状のようです。
その方法については具体的に述べられてはいません。
指導案に項目にしなくても、一言、それぞれ授業を行う人が授業観を記入していけば、その指導案を手にした人と授業観の共有が可能になり、新卒教員であっても、意識して観たり、実践したりできるようになります。
また、研究の場での話し合い等で、その教師の持つ根本の授業観を示してから進めることにより、よりイメージがしやすくなります。
要は一人ひとりが授業観を意識することで、見方が変わり、自分が変わり、全体の意識が変わっていきます。
そしておのずと授業観は磨かれていきます。
そしてもし参考になる授業があったり、憧れの教師に出会ったりしたときは、進んで授業観を聞いてみることをお勧めします。
私がまだ教育実習生だった時、隣のクラスの授業を参観させてもらうことがありました。
その授業を実施した先生が、授業後にあまりにも嬉しそうな顔で、「今日の授業は、私の教師人生で2番目に自信を持ってよかったといえる授業になったわ!」と言った後、キラキラした目でその授業観を語ってくれました。
つまり、教師にとって思っている授業観の通りに授業が出来たとき、それは最高の時間となりうるのです。
授業観は教師にとっての指針です。
誰もが必ず意識せずとも持っているものです。
それならば意識して望む方向を示し、現状をよりよくするために使うツールとして使ってみてはいかがでしょうか。
5. まとめ
学校の現場では、あまり意識されていないのが授業観であるように感じます。
しかし、この授業観は社会では「価値観」ともいえるものです。
価値観をもって子どもの前に立つのか、目的もなく意識もせずに、目の前のことをこなしていくのか。言い過ぎかもしれないが、授業観を持とうと意識して実践してみると、見方が変わって、見えることも多くなります。
基本は対話をし、様々な教師の授業観に触れることです。
出来る範囲で、自分の授業観を磨いてみてはどうでしょうか。
【参照】
※ 指導案
学習指導案。教員(学習支援者)がどのように授業を進めていくかを記載した、計画書のこと。学習指導・学習支援の計画書。
■ 執筆者情報
meg【元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。