「価値観」の土台があってこそ、タイムマネジメントが生きてくる

「価値観」の土台があってこそ、タイムマネジメントが生きてくる

『まんがで知る 教師の学び』
~タイムマネジメント~の学びを生かす


1. 手順の説明


以下において、「まんがで知る 教師の学び」の「第4章 タイムマネジメント~多忙感に負けない仕事術」の要約を行い、それについて批評します。

まず順を追って要約し、必要ならば補足します。
次に重要ポイントを1、2点絞ってピックアップし、それについて自分の視点からコメントし、批評します。

主張は論理的に行い、必要に応じて証拠をつけて説明します。
最後に全体を要約して結論づけ、まとめます。

2. 本章のまとめ


本書を要約すると、このようになります。

・教師にも「タイムマネジメント」が必要。その根本に自分の持つ価値観が関係する。

・自分の価値観を持つことで、人生で最も大切なものが分かり、よけいなものを捨てることが出来る。また大切なものに時間を使えるので精神的にも充実する。やるべきことがはっきりするから、集中力も高くなり効率もよくなる。

3. 疑問に思うこと


本文から下記の2文をピックアップします。

「教師の世界でも時間を上手に使うための『タイムマネジメントの力』が必要」
「指導力不足教員が40代50代に多いのは、30代で学び続ける術を身につけてこなかったからだ。」

これについて、問題提起をしていきます。

「どんな人でもタイムマネジメントの力をかりさえすれば、効率よく仕事をし、充実した生活が送れるようになるのだろうか。
また多くの教師が30代で学び続けているように思われる。しかし、実際は指導力不足と言われる40代、50代が存在する。
では30代でどのような学びをすれば、成長し続けることが出来るのだろうか。」

4. 学びをどう生かすか


(1)
主人公の言うように、技術的なことよりも自身の価値観によって人は行動します。
反対に価値観がないと迷いが生じ、技術的なこともうまくいかなくなります。

まずは、自分自身の判断基準となる「価値観」を土台に、タイムマネジメントをしていく必要があると述べられています。

「価値観」とは、自分自身にとって「もっとも大切なこと」です。
いくらタイムマネジメントがうまくいっても、「価値観」を満たしていなければ満足感を得られず、充実感も得られないので、仕事の効率が下がったり、仕事自体にやりがいを感じなったりします。

日経新聞に「自分は何を求めて働くのか」「自分はその仕事をどのような価値観に基づいて行うのか」を考え、「働くことは価値観を持つこと」だと述べられた記事がありました。

このようにまずは「価値観」を定め、その上でタイムマネジメントをしていけば、よけいなものを省き、「大切なもの」に時間を使えるようになります。

よって効率もよくなり、生活も充実していきます。
まずは自分自身で「価値観」=「何を求めて働くのか」を定め、それからタイムマネジメントをしてみてはどうでしょうか。

(2)
30代は前章の本書でも述べられているように「教職自己成長に向けた探求心」が十分にあるから変化する学校環境に適応できます。
だからといって、20代の頃と同じようながむしゃらな学び方では、その先の40、50代になった時に「探求心」が枯渇しかねないとも著者は述べています。
ではどのように学び続ければよいのでしょうか。

ひと昔前は、先輩の教師から学ぶことも多かったのかもしれません。
しかし時代は変わってきています。
セミナーへ通う教師も増えています。
しかしセミナーへ通って満足し、実践に生かせない人(セミナージプシー/プロフェッショナル・スチューデント)と呼ばれる人が多いと聞きます。
これは教師に限ったことではなく、一般企業で働く人にも同じような傾向がみられます。

東洋経済新聞によると、「何をどう学ぶのかというカリキュラムを自ら設定しなくてはならないのに、それをできない人が多くのビジネスパーソンに見られる」と述べられています。

そこから脱するには、下記のことを意識して学んでいくと良いです。
➀達成イメージを意識する。「その学びが将来のなりたい自分に直結しているかどうか問い直す」ことで挫折を味わいにくくなる。
②堂々と学ぶ。そしてどんなことでも躊躇なく人に聞く。必要のないプライドは捨て、自分のために学びを深めていく。
③アウトプット、実践を意識する。どんどん学んだことを試すことで、それが身につく。

学校教育による受け身の学び方から脱し、自ら実践していくことで、その経験も教壇に立った時に生かされるのではないでしょうか。

5. まとめ


タイムマネジメントは有効なやり方です。
しかしその根底に必要な「価値観」をしっかり定めることで結果は全く違うものになります。

人それぞれ違う価値観。
一人の人間としてその生き方を、その人間力を、子どもたちに示す教師として「価値観」を通して、学びを深めていくことが求められています。
今一度、自身の価値観を振り返り、見直してみてはどうでしょうか。
新たに意識して価値観を持った時、授業や子どもに対する見方が変わってくると思います。

【参考】


文部科学省 「学校における働き方改革に関わる緊急提言」より抜粋。
「教員が授業や授業準備等に集中し、教育の質を高められる環境を構築することは、21世紀を生き抜く子どもたちに必要な資質・能力を高める教育を一層行っていくためには必要不可欠である。」

執筆者情報

meg元小学校教師】
小学校教員の経験をもとに、学校現場での悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。