最初に挙げるのは、「まずは自らが心を開いていく」という考え方です。
なぜ心を開くことが重要なのかというと、信頼関係において心を閉じている人間に信頼を寄せることは難しいからです。
それは容易に想像がつくのではないかと思います。
心を閉ざしている相手、特に子どもに対し、こちらが心を開かないで接している間はいつまでたっても信頼関係を築くことはできません。
そして、この「心を開く」ということは、一見当たり前のことのように思われるかもしれませんが、私はこれができなくて、苦しんだ時期がありました。
自分では「心を開いているつもり」でいたものの、いつもどこかぎこちなく、相手、つまり具体的には子供たちの反応ばかりに気を遣っていました。
振り返ってみると、その原因は
「相手に合わせすぎていた」
といえます。
これは、「子供たちに好かれたい」という想いであったり、同僚や保護者から「認められたい」という表れであったと今では思います。
そして、それが教室での自分の在り方に影響を与えていたのです。
今思うと、認められないなんて…と思いますが、あの頃は必死でしたので、自分がどのような状態であるか等正確に把握できていなかったのです。
さらに、心を開くことが怖かったのです。
なぜなら、心を開いた状態で、受け入れられなかったらどうしよう。拒否されたらどうしよう。そんな思いもあったように思います。
この正面から子ども達と向き合うことができなかった時期は、「心が開いていなかった」状態でした。
信頼を築くためには、恐れず、相手からの見返りを求めるのではなく、自分から心を開き、素直に感情を伝えていくことが重要です。
これができる人は、周りに人が集まり、子供たちからも好かれ、信頼されているのです。
自ら心を開くことで、楽しい場所が広がり、心地よい環境がつくられます。
さらに、そんな人から学ぶ子ども達は当たり前ですが、どんどん素直になっていき、学校でもいい意味で目立つ存在になっていきました。
そんな大人を見て、子ども達は素直でいることが大切なことなのだということも学んでいたんだと思います。
■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。