心を開くことが、信頼構築の鍵。

【更新日】 2023年11月25日(土) コミュニケション・外国語運用能

信頼の必須条件は、オープンハート⁈


数回にわたり、信頼について、ブログを通じてお伝えしてきました。
これまで述べた内容は、私自身が実践し、重要だと感じたものです。

今回は、信頼を築く上で忘れてはいけない「自分の在り方」に焦点を当ててみようと思います。
 

最初に挙げるのは、「まずは自らが心を開いていく」という考え方です。

なぜ心を開くことが重要なのかというと、信頼関係において心を閉じている人間に信頼を寄せることは難しいからです。
それは容易に想像がつくのではないかと思います。

心を閉ざしている相手、特に子どもに対し、こちらが心を開かないで接している間はいつまでたっても信頼関係を築くことはできません。

そして、この「心を開く」ということは、一見当たり前のことのように思われるかもしれませんが、私はこれができなくて、苦しんだ時期がありました。

自分では「心を開いているつもり」でいたものの、いつもどこかぎこちなく、相手、つまり具体的には子供たちの反応ばかりに気を遣っていました。

振り返ってみると、その原因は
「相手に合わせすぎていた」
といえます。

これは、「子供たちに好かれたい」という想いであったり、同僚や保護者から「認められたい」という表れであったと今では思います。
そして、それが教室での自分の在り方に影響を与えていたのです。

今思うと、認められないなんて…と思いますが、あの頃は必死でしたので、自分がどのような状態であるか等正確に把握できていなかったのです。

さらに、心を開くことが怖かったのです。
なぜなら、心を開いた状態で、受け入れられなかったらどうしよう。拒否されたらどうしよう。そんな思いもあったように思います。
この正面から子ども達と向き合うことができなかった時期は、「心が開いていなかった」状態でした。

そして、信頼構築において大切なのは、もちろん「相手に好かれること」に焦点を合わせるのではありません。「認められるため」でもありません。

また、「相手のために、自分が無理をしてやる 」ことでもありません。
でも、つい自分を犠牲にすることが良いことだと無意識に思い、行動しがちではないでしょうか。

子どものために…
同僚に迷惑をかけないために…
学校全体のために…

自分さえ我慢すればいい。
自分の睡眠を削ればいい。
自分の時間を使えば、みんなが笑顔でいられる。

一見、美徳のように思われるのですが、自己犠牲は何も生みません。
その時は我慢していることも気づかなかったのですが、「相手のために無理をしている」状態の時期、教室の雰囲気は改善されず、子供たちとの信頼関係も築けませんでした。

先生からしたら、子ども達から好かれたいと思うのは当たり前なのかもしれません。
ですが私の場合、それは少し違っていました。

そこには、覚悟がなかったのです。
子ども達と真正面から向き合う覚悟です。

また、自分の気持ちを素直に表現することに抵抗を感じていました。

子ども相手であっても、「好きだよ」「大事にしているよ」と口にすることができませんでした。
しかしこれを乗り越え、素直に表現するようになると、子供たちも次第に心を開き、関係性が向上しました。

それだけではありません。
子どもたちの反応を気にしていた時は感じられなったのに、素直に表現をしだすと、心でつながっている感覚を感じられたり、実際に子ども達の成績があがったり、積極的になる子が増えてきたり、教室がより活気に満ち溢れるようになっていきました。
 

信頼を築くためには、恐れず、相手からの見返りを求めるのではなく、自分から心を開き、素直に感情を伝えていくことが重要です。

これができる人は、周りに人が集まり、子供たちからも好かれ、信頼されているのです。

自ら心を開くことで、楽しい場所が広がり、心地よい環境がつくられます。

さらに、そんな人から学ぶ子ども達は当たり前ですが、どんどん素直になっていき、学校でもいい意味で目立つ存在になっていきました。

そんな大人を見て、子ども達は素直でいることが大切なことなのだということも学んでいたんだと思います。


自分自身が素直になったので、保護者との関係も良好になり、同僚との関係もよくなり、教室でも、職員室でも、どこでも居心地が良い場になっていったのです。

相手から見返りを求めていたつもりはありませんでした。
でも、結果的にはそう感じさせてしまったいたのだと思います。

自分が自分の殻に閉じこもり、ふてくされたり、「自分はダメなんだ」と自己卑下したり、いちいち落ち込んだり、人の目を必要以上に気にしたり…そうしているうちは、知らずうちに相手にも嫌な気分を与えています。

でも心が開いている人は、周りに人が溢れているし、子ども達からも好かれているし、信頼で結ばれているのです。
なぜなら、自分が心を開いているから、相手も心を開き出します。つまり鏡として目の前の現象が移っているだけなのです。

もし現在、自らの殻に閉じこもり、心を開くことが難しいと感じているのであれば、一歩踏み出してみることをお勧めします。

見返りを求めず、ただ伝えていくことで、信頼関係が築かれ、周囲とのつながりが深まります。
まずは自分を開いてみてはいかがでしょうか。
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■ 執筆者情報■森田恵
子どもが好きで教員を目指すが、挫折。退職を考えるも奮闘し、次第に毎日が楽しく、子ども達からも「先生大好き!」と言われるように。そんな教員時代の経験をもとに、悩みを持つ人に役立つことを伝える活動を行っている。結婚を機に、渡米。10年の小学校教師の経験を活かし、渡米後は日本語の家庭教師や、現地校にて日本の文化を伝え、日本語を教えて過ごす。現在3児のママ。2度の流産経験により、食や環境、ママの状態が子どもへ与える影響などに興味を持つ。さらに、意識によってもたらされる変化を日々、体感を通して実践している。